「中年太りの体になっちゃった。腹筋でもやって、痩せようかな?」と思っているあなた。

- 小さい筋肉で、カロリーを消費しない
- 腹筋を鍛えても、お腹周りの脂肪から使われない
そして、本当に必要なのが、次の2つです。
- 食事制限
- 20分以上の「有酸素運動+HIIT」「筋トレ」
これで、確実に痩せます。ただ、あなたが思うほど簡単ではない。実際に脂肪1キロ減る運動を計算してみましょう。これで、本当に必要な行動が分かります。さあ、しっかりと読み進めてください。
中年太りに腹筋は効かない2つの理由
中年太りに腹筋は効きません。その理由が次の2つです。
- 小さい筋肉で、カロリーを消費しない
- 腹筋を鍛えても、お腹周りの脂肪から使われない
では、確認していきます。
1:小さい筋肉で、カロリーを消費しない
腹筋自体は、小さい筋肉なので、カロリーをあまり使いません。車に例えると、筋肉は「エンジンの大きさ」と同じ。トラックと軽自動車では、使うガソリンの量が全く違いますよね。だから、ダイエット効果が小さいのです。
腹筋…【310㎤】
- 太ももの表側(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)
【1,913㎤】
- 背中(広背筋:こうはいきん)
【550㎤】
- 胸(大胸筋:だいきょうきん)
【676㎤】
- お尻(大殿筋:だいでんきん)
【864㎤】

大きな筋肉は「足・背中・胸」で「ビッグ3」と言われています。ライザップなどの、パーソナルトレーニングジム(会員1人にトレーナー1人がつくジム)でも、ここを中心に鍛えますね。
2:腹筋を鍛えても、お腹周りの脂肪からは使われない
そして、腹筋を鍛えても、お腹周りの脂肪からは使われません。


なぜなら、全身の脂肪が少しずつ使われるから。
筋肉は鍛えたい場所を選べますが、脂肪は違います。全身から、少しずつ使うのです。だから、お腹だけ、顔だけは痩せません。


そのあたりを詳しくお話ししましょう。
お腹に脂肪がつきやすい3つの理由
お腹に脂肪がつきやすい理由は、次の3つです。
- お腹を使わないため、倉庫になっている
- 冷たい飲み物などの対策
- 内臓を守る

聞けば、納得しますよ。
その1:お腹を使わないため、倉庫になっている
動く場所は、脂肪がつきにくいです。なぜなら、脂肪は「エネルギーの貯蓄」であり「体内の倉庫」に置くから。そして、倉庫は「動かないところ」に作るのが最も効果的です。あなたの会社も、同じ状況なはず。

ここが「お腹」なのです。その代わり、手には脂肪がありませんよね。
その2:冷たい飲み物などの対策
冷たい飲み物を飲むと、お腹の体温が下がります。これが「生命の維持」では、あまりよくない。体温が下がり過ぎると、死んでしまうから。このため、体温を上げる対策をします。それが「脂肪」になるのです。
また若いと、体温調整をする「褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)」が働きます。しかし、年齢を重ねると、この力も衰える。これは、論文でも証明されています。
これらの事実は、褐色脂肪が全身体温の調節に一定の役割を果たしていることを示している。
(中略)
実際に褐色脂肪活性が低いほど body massindex(BMI)が高く体脂肪量や内臓脂肪量が多いことが、臨床例のみならず健常被験者でも確認されている。しかし、これらは年齢によって大きく異なり、加齢に伴い褐色脂肪活性は急激に低下し、鏡像的に BMI や腹部の内臓脂肪、皮下脂肪は増加する。
(中略)
この加齢に伴う肥満度の変化を高活性者群と低活性者群に分けて集計すると、20 歳代では2群間に差はみられなかったが、低活性者群では加齢に伴いBMI、内臓脂肪などが増加するのに対し、高活性者群であまり変化せず、40 歳代でも 20 歳代のスリムな体型を維持していた。これらの結果は、加齢に伴う肥満、いわゆる「中年太り」が褐色脂肪の活性低下によることを示唆している。
さらに、この褐色脂肪細胞は、運動しないと、働きが落ちます。
一般大学生に比較して水泳選手およびトライアスロン選手では、鎖骨上窩におけるT-Hbが高いことが確認できた。このことは、長期的な運動による何らかの刺激が誘導型褐色脂肪組織量の増加をもたらすことを示唆する。

つまり、冷たい飲み物・アイスを取り、運動しないと、お腹に脂肪がつきやすくなる。
いわゆる「ビール腹」も、この原理になります。
その3:内臓を守る
お腹に骨はありません。だから、外側からの攻撃に弱い。これも、恐竜に襲われる昔の時代では、大きなデメリットです。だから、少しでも生きのびるため、脂肪をつけて守ろうとする。これが遺伝子で今でも記憶され、お腹が出るのです。

指さしが人の目を引くのも「やりなどの襲われる武器と同じだから」と言われていますよね。昔からの記憶は、確かに存在しますよ。
引き締まったお腹に必要なダイエット

では、あなたにもできるダイエットをご紹介します。それが次の2つです。
- 食事制限
- 運動は20分以上の「有酸素運動+HIIT」「筋トレ」
早速見ていきましょう。
1:食事制限のおススメ 2つ
食事制限は、次の2つがおすすめです。
- カロリー制限
- 糖質制限
それでは、確認していきましょう。
その1:カロリー制限は、たった1つの式を考える
カロリー制限とは、食べ物のエネルギーである「カロリー」を抑えるダイエットです。そして、大事な式は、この「たった1つ」になります。
使ったカロリー>食べたカロリー>基礎代謝(きそたいしゃ)
※基礎代謝…1日に必要な最低限のカロリー

左右で分けて、考えていきましょう。
【左:使ったカロリー>食べたカロリー】
使ったカロリーが多ければ、痩せます。これは当然ですよね。
【右:食べたカロリー>基礎代謝】
そして、ここがポイントです。なぜなら、脂肪が使いやすくなるから。基礎代謝以下になると、体が危険と判断し、大事な脂肪を使いません。その代わり、筋肉を分解して、エネルギーにしてしまう。これが「リバウンドしやすい体」を作るのです。筋肉が減るので、使うカロリーも減るからですね。食べたものが、そのまま脂肪になってしまう。

だから、絶食すると、すぐ太るのです。
その2:「今の半分」で糖質制限を、簡単に始める
糖質制限とは、ごはんやパン、ジュース、お菓子や、根菜(こんさい)と呼ばれる土の中でなる野菜などにも入っている糖質を抑えるダイエットです。この効果は論文で証明されています。
KDが生体に与える影響の分子基盤を,実験動物などを用いて生化学,分子生物学的に検討している報告は意外と少ない.また,KD(ケトジェニックダイエット:糖質制限ダイエットと同じ意味)にダイエット効果があることはケトン体生合成メカニズム で明白であるが,
体重減少の特徴は、Blackburn の体重減少の評価法の高度体重減少と中等度体重減少の境界線付近に集中している様子が観察された。また、13研究(論文A, C, D, E, F, G, H, I, J, L, N, O, P)、すなわち(低糖質ダイエット)全体の68.4%において、検討期間である6カ月間に、一度以上の高度体重減少が見られた。一度も高体重減少が見られなかった研究は6研究と少数であった。その結果、検討対象の約70%の論文で、短期間での高度体重減少が観察された。
一方、世界的に糖質制限食の研究結果の報告が蓄積され、1 日の糖質摂取量を120gあるいは150g以下にするような食事法が血糖、体重、血圧、脂質といったメタボリックシンドロームの構成要素のすべてに有効であることが示されている。


確かに。そこで「今までの半分」にしましょう。まずは「体を慣れさせる」のです。
糖質は「体に必要なもの」。悪者ではありません。だから、いきなりゼロだと、体調も悪くなる。これでは、日常生活や仕事に、支障が出ますよね。
ただ、今の食生活は、取り過ぎている。なぜなら、スーパーやコンビニでは、砂糖たっぷりのお菓子やジュースがたくさん売っているから。これを、知らない間に、口にしている。だから「今の半分」と説明しているのです。

半分に慣れたら、徐々に「120~150g」にしていきましょう。
2:運動は20分以上の「有酸素運動+HIIT(ヒート)」「筋トレ」
運動は20分以上の「有酸素運動+HIIT」「筋トレ」にしましょう。HIITとは、ダッシュ4本のように「数十秒の全力運動と休憩を交互に行うもの」です。
そして、理由は、次の4つになります。
- 脂肪を分解するホルモンを出す
- 分解したエネルギーにする
- カロリーを使いやすい体を作る
- 続けやすい
では、確認しましょう。
その1:脂肪を分解するホルモンを出す
この運動は、脂肪を分解するホルモン「カテコールアミン」を出します。これは論文で証明されていること。
〇カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
〇 有酸素運動
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.
〇 全力運動
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さの)約2倍もの濃度差が認められた
HIITも筋トレも全力を出しますからね。
その2:分解したエネルギーを使う
脂肪を分解しても、それを使わないと、元に戻ります。だから、20分以上にしましょう。


はい。私は「腕立て伏せ」「スクワット」「腹筋」「ブリッジ」を行い、20分ほどかかっていますね。
その3:カロリーを使いやすい体にする
HIITも、筋トレも息切れします。これがポイント。なぜなら、カロリーを使いやすい体にするから。
息が切れると、酸素を借りる必要が出ます。それが「体の中」から。そして、借りた酸素は返します。これが運動の後なのです。さらに、この酸素は「エネルギーの消費」にも使われます。これが、カロリーを使いやすい理由。
もちろん、論文で証明されており「EPOC(エポック)」と呼ばれています。
運動後の酸素消費量が安静値へ回復しても肺胞でのや酸素消費量は有意に上昇した状態が続いていた.このことは,運動後に長時間に渡って観察される全身レベルでの酸素消費量の増大は、活動筋以外の組織でのエネルギ消費の亢進,例えば換気や心筋活動の増大,肝臓での糖新生などに起因している可能性を示唆している.

かなりすごい力だと、わかったはずです。
その4:続けやすい
そして、続けやすい点。20分ほどの運動であれば、準備やクールダウン(運動後、体をもとの状態に戻すこと)も含めて1時間あれば、可能です。
週に2~3回なら、あなたにもできるはず。

続くことが、ダイエット成功の最も大事なポイントです。
2つの基準で、運動の「時間帯」を決める


いつでもいいですよ。続くことが大事ですから。


では、次の2つで比べてみましょう。
- 時間の作りやすさ
- 運動の追い込みやすさ
これで、迷いは無くなるはずです。
①:時間の作りやすさなら「朝」
時間の作りやすさなら、朝ですね。仕事や飲み会など、夜は時間が読めないことも多い。

私も朝4時に起きて、トレーニングしています。


何か言いました?

いえいえ。続きをお願いします。
②:運動の追い込みやすさなら「夜」
追い込むなら、夜ですね。仕事も終わり、あとはトレーニングだけですからね。

ただ、寝る2時間前にしましょう。カテコールアミンである「アドレナリン」「ノルアドレナリン」は、興奮する働きがあるので、眠れなくなりますよ。
脂肪1キロ減らす運動量


ちょっと待ってください。そんなに甘くないですよ。
脂肪1キロ減らす運動量を計算してみましょう。これは7,200kcalになります。
- ラジオ体操 30時間
- 徒歩 30時間
- ゆっくりの水泳 24時間
- サイクリング 15時間
- ランニング 14時間30分

ただ、使ったカロリー全てが脂肪を使うとは限りませんから。この倍は必要です。つまり…
- ラジオ体操 60時間
- 徒歩 60時間
- ゆっくりの水泳 48時間
- サイクリング 30時間
- ランニング 29時間


そうですよね。簡単に脂肪は無くなりません。
あなたの脂肪も、長い時間かけて作られた


それでは「脂肪が作られたこと」を考えてみましょう。
あなたの脂肪も、長い時間かけて、作られました。脂肪はすぐに増えたり、減ったりしません。だからこそ、続くダイエットが大事になります。

- 「今やったら、少しずつ理想の体型に近づく」
- 「今やらないと、絶対に近づかない」
あなたはどちらを選びますか?
まとめ
中年太りは、かなりカッコ悪いですよね。その体型を作ったのは、まぎれもなくあなたの「食事」です。だから、ここを改善しましょう。さらに、運動をプラスすれば、ダイエットは加速します。その方法が今、わかりました。時間はかかるが、やるしかない。あとは、行動だけですよ。
「176cm、65kgの体型を27年間維持している42歳」の私からお話ししますが、やせませんよ。理由は次の2つです。