「お腹だけ太るんだよな、男性って」と今、思っていました?
42歳ですが、176㎝、65kgの体型を15歳から、27年間維持している「おじさん」から、お話しします。



理由は次の5つ。
- 骨で守られていない
- 内臓が落ちてくる
- 冷たいものが好き
- 運動不足
- 年齢によるもの
この対策として、次の4つの方法があります。
- 腹横筋(ふくおうきん)を鍛える
- 脂肪を分解するホルモンを出す運動
- 冷たいものを取らない
- 飲み物から、砂糖を抜く
これで、あなたの生活は、確実に変わります。さあ、早速始めましょう。
お腹だけ太る5つの理由
お腹だけ太る5つの理由は、これです。
- 骨で守られていない
- 内臓が落ちてくる
- 冷たいものが好き
- 運動不足
- 年齢によるもの
では、早速見ていきましょう。
1:骨で守られていない
最初に、骨で守られていない点。これは「生命の維持」に大きなハンデがあります。恐竜や猛獣に襲われたら、命の危険がすぐに起きる。だから、簡単につく「脂肪」で、少しでも守るのです。

太古の昔の記憶と、私たちは今も戦っています。
2:内臓が落ちてくる
続いて、内臓が落ちる点。胃や肝臓などを支える筋肉が衰えれば、当然、お腹が「出ている」ように見えます。
インナーマッスルという筋肉
骨などを支え「体の形」を保つのは、全て筋肉。そして、胃など内臓を支えるのは、体の内側にある「インナーマッスル」です。
ここの特徴が、軽い負荷で鍛えられる点。例えば、深呼吸などで、鍛えられる「腹横筋(ふくおうきん)」があります。

筋肉はどこも同じで、年齢とともに、衰える。だから、お腹が出てしまうのです。
3:冷たいものが好き
さらに、冷たいものが好きな人。実は、これが大きな問題を抱えています。
体温が低下する危険性
体温が低下すると、死にます。「低体温症(ていたいおんしょう)」と呼ばれる、体温が維持できない症状で亡くなる場合もある。そして、冷たいものを取ると「お腹の体温が奪われる」。だから、体温を維持するため、体が勝手に働くのです。
脂肪の断熱(だんねつ)効果
脂肪には、温度を逃がさない働きがあります。これが「断熱効果」。太っている人が、汗かきな点からも分かりますよね。そして、熱を生み出す筋肉よりもつけやすい。なぜなら、筋肉を大きくするには、鍛えるしかないから。だから「ぽっこりお腹」を生むのです。

「ビール腹」も、同じ理由。キンキンに冷えたビールは美味しいですが、お腹の脂肪には、あまりよくありません。
4:運動不足
さらに、運動不足があります。まず、使うカロリー自体が少ないのが1つ。さらに「脂肪を使う脂肪細胞の働きも悪く」なるのです。
褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)の働き
脂肪を使う脂肪を褐色脂肪細胞と言います。
さらに、褐色脂肪細胞の発熱能力は通常、熱産生が行われている骨格筋の70 ~ 100倍あるといわれており、相当のパワーを褐色脂肪細胞がもっていると考えられます。
この細胞は、運動でより働きます。
一般大学生に比較して水泳選手およびトライアスロン選手では、鎖骨上窩におけるT-Hbが高いことが確認できた。このことは、長期的な運動による何らかの刺激が誘導型褐色脂肪組織量の増加をもたらすことを示唆する。
一方、筋力トレーニングに伴う筋肥大に関連する新規の筋肉シグナルPCG-1αアイソゾームのCG-1α4が刺激となりmeteorin様物質が増加することが報告されている。このmeteorin様物質が、誘導型褐色脂肪細胞に働きかけて熱産生を起こすことも分かってきた。つまり、運動刺激が安静時のミトコンドリア呼吸、エネルギー消費の増加につながる可能性が示唆されている。
さらに、体温調整の働きもあるのです。
これらの事実は、褐色脂肪が全身体温の調節に一定の役割を果たしていることを示している。
つまり、ビールを飲んでも、運動すれば、体温調整の働きを活性化し、脂肪がつきにくい。運動の効果が、意外に大きいと分かったはずです。
5:年齢によるもの
年齢によるものもあります。年を取ると、次の4つが減ります。
- 基礎代謝
- 活動量・運動量
- 筋肉量
- 褐色脂肪細胞
だから、お腹が出るのです。
その1:基礎代謝
基礎代謝とは、1日使う最低限のカロリーのこと。この計算式はこちらです。
ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を使って基礎代謝量を計算しています。
男性
- 13.397×【体重(kg)】
- +4.799×【身長(cm)】
- -5.677×【(年齢)】
- +88.362
女性
- 9.247×【体重(kg)】
- +3.098×【身長(cm)】
- -4.33×【(年齢)】
- +447.593
つまり、20年前より「80~100kcal」減ってしまう。その余った分が、お腹についたのです。
その2:活動量・運動量
年齢を重ねると、活動量・運動量が減ります。
- 20代のときは
知人・友人と一緒に、キャンプ、遊園地、水族館などに行った
- 30代のときは
1日中、子育てで忙しかった
- それが終わると
…何もない。
その3:筋肉量
「その2」と関係しますが、使わないと、筋肉が減ります。しかも、かなり早い。以前、ボクシングジムに通っていた時、トレーナー(教えてくれる人)から「プロレスラーが、普通の体に戻るのに、1ヶ月もかからないんだよ。」と言われました。だから、エネルギーも使わない体になるのです。
その4:褐色脂肪細胞
先ほど出てきた、褐色脂肪細胞も年齢により、減っていきます。
実際に褐色脂肪活性が低いほど body massindex(BMI)が高く体脂肪量や内臓脂肪量が多いことが、臨床例のみならず健常被験者でも確認されている。しかし、これらは年齢によって大きく異なり、加齢に伴い褐色脂肪活性は急激に低下し、鏡像的に BMI や腹部の内臓脂肪、皮下脂肪は増加する。
(中略)
この加齢に伴う肥満度の変化を高活性者群と低活性者群に分けて集計すると、20 歳代では2群間に差はみられなかったが、低活性者群では加齢に伴いBMI、内臓脂肪などが増加するのに対し、高活性者群であまり変化せず、40 歳代でも 20 歳代のスリムな体型を維持していた。これらの結果は、加齢に伴う肥満、いわゆる「中年太り」が褐色脂肪の活性低下によることを示唆している。
しかし、成人の褐色脂肪細胞の数は加齢により減少していきます。私も20年来、褐色脂肪細胞の研究を行っていますが、この加齢による褐色脂肪細胞の消失が、肥満を引き起こす要因になっているのではないかと考えています。
エネルギーを使うものが、これだけ減るのです。
お腹を凹ませる4つの方法
これらを踏まえて、お腹を凹ませる方法をご紹介しましょう。それが次の4つです。
- 腹横筋(ふくおうきん)を鍛える
- 脂肪を分解するホルモンを出す運動
- 冷たいものを取らない
- 飲み物から、砂糖を抜く
1つずつ見ていきましょう。
1:腹横筋を鍛える
まずは、腹横筋を鍛えること。次の2つをご紹介します。
- ロングブレス
- ドローイン
では、イラストでポイントを確認していきます。
その1:ロングブレス
ロングブレスとは、俳優としても有名な美木良介(みきりょうすけ)さんが作った呼吸法です。やり方をご紹介します。

- 鼻から3秒かけて
- 腕は真上に伸ばす
- 足は少し前後する
- 腰を少し反らす
(反らしすぎると、かえって痛めます)


- 口から7秒かけて
- 腕を思いっきり閉じる
- 必ず息を「吐き切る」

美木良介さんは、ひどい腰痛持ちでしたが、これで改善したとお話ししていました。ぜひ、試してください。
その2:ドローイン
ドローインも同じような方法です。動きを確認しましょう。

- お腹を凹ませる
- 時間は5秒ほど
- 鼻から行う

- お腹をさらに凹ませる
- 時間は7~10秒ほど
- 口から行う

私はロングブレスとドローインを、毎朝20回やっています。時間もたった5分ほど。今のところ、腰痛は全くありません。
2:冷たいものを取らない
そして、冷たいものを取らないこと。当然、大事なことです。
ウイスキーのお湯割りに変える
キンキンに冷えたビールより、ウイスキーのお湯割りにしましょう。体の冷えも、糖質も抑えられます。
サントリー角ハイボール缶(500ml) 糖質0g
トリス ハイボール(500ml) 糖質0~5g
糖質とは、お菓子やジュース、ご飯やパン、麺類、さらに果物やじゃがいも、にんじんなど土の中でなる野菜(根菜:こんさい)に多く含まれている。これらは、多く取っている可能性が高い。
スーパーやコンビニで、多く売られて、無意識に口に運んでいる。お酒くらい、抑えましょう。
アイスを和菓子に
アイスなら、和菓子に変えるのもいいですね。「もち米」「小豆」など「食物繊維(しょくもつせんい)」が入っています。これはお腹の調子を整えるほかに、大腸がんなどの病気も予防します。
食物繊維(Dietary Fiber,DF)は難消化性のために、栄養素中心の栄養学では注目されることはなかった。しかし、1970年代以降、DFには栄養素では達することのできない種類の生理機能、すなわち大腸癌、糖尿病、虚血性心疾患などの生活習慣病を予防する効果のあることが明らかにされ、健康を維持するうえで重要な役割を果たす”栄養素”として注目されるようになった。
一般的に食物繊維は、食物の咀嚼回数や消化液の分泌を増加させたり、便通や腸内環境を改善したりするが、不溶性と水溶性で異なる生理作用もある。不溶性食物繊維は保水性が良く、便量の増加や腸の蠕動運動の促進、脂肪や胆汁酸、発がん物質等の吸着・排出作用がある。水溶性食物繊維は、糖の消化吸収を緩慢にして血糖値の急な上昇を抑える糖尿病予防効果、胆汁酸の再吸収を抑えてコレステロールの産生を減らす脂質異常症の抑制効果が期待できる。また、水分を吸収してゲル化するため,胃腸粘膜の保護や空腹感の抑制作用がある。
「少しの違い」を積み重ねましょう。
3:脂肪を分解するホルモンを出す運動
さらに、脂肪を分解するホルモンを出す運動。まずホルモンは「カテコールアミン」と言うもの。論文でも証明されています。
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
さらに、これを出す運動が「有酸素運動」と「全力運動」になります。証明はこちら。
〇:有酸素運動
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.
〇:全力運動
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さの)約2倍もの濃度差が認められた
だから、これを行うべきです。
時間は20分ほどで、週に2~3回
時間は20分ほど、週に2~3回行いましょう。これで、無理なく続きます。
また、有酸素運動は長すぎると、少ないエネルギーで動けてしまう。つまり「痩せにくい体」になる。これでちょうどいいですよ。
筋トレなら、4~5のメニューを行う
全力を出す筋トレは、4~5のメニューを行いましょう。これで20分はかかります。私も「腕立て伏せ」「腹筋」「ブリッジ」「スクワット」「腹筋ローラー」の5つをしています。
4:飲み物から、砂糖を抜く
最後に、飲み物から砂糖を抜くこと。これで和食など「薄い味付け」を好む味覚になります。具体的には、次の4つです。
- 水(炭酸水を含む)
- お茶
- ブラックコーヒー
- ストレートティー
今のあなたは「濃い味付け」が好き。だから「揚げ物」「デミグラスソース」のような高カロリーのが多いわけです。実際に、焼き物と比べてみましょう。
揚げ物
- Lチキ ガーリックマヨ味
349kcal
- 鶏から しょうゆ 4個
340kcal
焼き物
- でか焼鳥 ねぎま 2本
162kcal
- でか焼鳥 もも塩 2本
248kcal
口が変われば、食べ物も変わっていく。ぜひ試してください。
まとめ
お腹だけ太るのは、今の生活で「当然」です。だから、対策が必要。私とあなたの違いもわかったはずです。ただ「この記事を読んだ」だけでは、意味がない。行動して、始めて成果が出ます。さあ、早速始めましょう。
これが私。