「噛まないと太るのかな?」と思っているあなた。その理由は次の4つです。
- 満腹中枢(まんぷくちゅうすう)が刺激されない
- 栄養が吸収されにくい
- ストレスがたまる
- 唾液が出ないので、口の中の健康が保てない
そして、噛むための方法を6つご紹介します。
- 固いものを食べる
- 1口食べるたびに、はしをおく
- ガムをかむ
- 味わう
- 食べている時に、水・お茶を飲まない
- 「プラス5回」を意識する

噛まないと太る4つの理由
噛まないと太る理由は、次の4つです。
- 満腹中枢(まんぷくちゅうすう)が刺激されない
- 栄養が吸収されにくい
- ストレスがたまる
- 唾液が出ないので、口の中の健康が保てない
1つずつ確認します。
1:満腹中枢が刺激されない
まずは、満腹感を感じる神経である「満腹中枢」が刺激されないこと。論文の証明がこちらになります。
Smit ら(2011)(参考文献 8)は、筋電図で咀嚼行動を監視しながら、一口量の食物を 35 回咀嚼した場合と 10 回咀嚼した場合で比較しました。その結果、35 回咀嚼すると「満腹」を感じるまでの食事時間は 2 倍になったにもかかわらず、食事量は減少することを見出しています。この結果は、これまでに発表されている摂食速度(食べる速さ)に影響を及ぼす要因を調査した研究と一致し、ゆっくり食べることで食事量、すなわち取り込むエネルギー量を減らせることを示しています。
これなら、納得ですよね。
2:栄養が吸収しにくい
続いて、栄養が吸収しにくい点。食べ物が大きいままですからね。これでは「空腹」を感じやすい。なぜなら、栄養が足りず「まだ必要」とサインを出すから。これも大事な点です。
3:ストレスがたまりやすいと太る4つの根拠
噛むと、ストレスが解消されます。証明はこちら。
RussellとLaniusの気分特性モデル(Russell and Lanius model of the affective quality)により解析した結果、咀嚼ありのガム摂取及び水摂取は、最初「興奮」をもたらすが、4分後には「リラックス」状態になった。更に、これら咀嚼ありガム摂取群及び水摂取群は、摂取後の10分間の安静により、「リラックス」レベルが更に高まった。一方、咀嚼無しのガム摂取群は、「興奮」状態を維持し、摂取中及びその後の10分間の安静においても「興奮」状態が持続した。最も高いストレス軽減効果を示したのは、咀嚼ありのガム摂取群であり、SCLに関しては咀嚼の有無により有意差が認められた。
だから、ストレスがたまる。そして、太りやすい根拠は、次の4つ。
- ドカ食いを作る
- お腹の調子が悪くなる
- 睡眠が浅い
- 太らせるホルモンが出る
こちらも、確認していきます。
その1:ドカ食いを作る
まずは、ドカ食いを作る点。これも論文の証明があります。
入り口がダイエットであろうとストレスであろうと,BE(むちゃ食い) がダイエットを促進させることで悪循環の過程は発生する。また,仮に,ダイエットをやめたとしても,ストレスが慢性化していれば,常にこうした悪循環を活性化する動力源が供給され続け,BE からは容易に抜け出せないことになる。
食べることで、ストレスを発散するのです。
その2:お腹の調子が悪くなる
お腹の調子が悪くなれば、先ほどと同じく、栄養吸収が悪くなる。これで空腹を感じて、食べ過ぎを引き起こします。
その3:睡眠が浅い
睡眠が浅いことも、太りますね。なぜなら、寝ている間に行われるホルモンバランスの調整が悪くなるから。このホルモンには、脂肪を分解する「カテコールアミン」これを邪魔する「インスリン」があります。
〇:カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
〇:インスリンの働き
インスリンはカテコールアミンによる脂肪分解を抑制し、脂肪分解抑制作用をもつホルモンとして重要である。
その4:太らせるホルモンが出る
そして、太らせるホルモン自体が出ます。これが「コルチゾール」です。
コルチゾールとは副腎皮質から分泌されるステロイドのことで、血糖値を高めて、エネルギーを生成し、炎症を抑える働きをします。
別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、働き過ぎや、睡眠不足、過度のダイエットによりストレスが溜まると、コルチゾールの値も高くなっていき、お腹の脂肪や内臓脂肪が出来やすくなります。
ストレスは、ダイエットの大敵です。
4:唾液が出ないので、口の中の健康が保てない
よく噛まないので、唾液が出てきません。噛む回数と唾液には、きちんと関係があります。こちらが証明です。
「硬ガム」を噛むと刺激時唾液量が「軟ガム」に比べて有意に多いことが確認された。「硬ガム」の咀嚼前後で有意に唾液中の菌数が減少していることが確認された。更に「軟ガム」と「硬ガム」を比較すると,唾液中菌数の減少率に有意な差が認められた。「硬ガム」を噛んだ後の方が噛む前に比べて,認知課題中の脳活動が有意に高くなることが確認された。これらのことから,硬さの異なるガムを噛んだ際の咀嚼効果に対する新たな知見が得られた。食品としてのガムは,硬いガムの方が軟らかいガムより,刺激時の唾液分泌量を増加させ,唾液中の菌数を減少させることが示唆され,口腔衛生への寄与が期待された。硬いガムは日常生活においてQOLを維持向上させる簡便なツールとして活用される可能性が期待された。
ダイエットは健康に向かうもの。不調があると、色々な問題を引き起こす。その1つが「太りやすい」です。口も体も同じ意識を持ちましょう。
自然と噛む6つの方法
それでは、噛むようにする方法を6つご紹介します。
- 1:固いものを食べる
- 2:1口食べるたびに、はしをおく
- 3:ガムをかむ
- 4:味わう
- 5:食べている時に、水・お茶を飲まない
- 6:「プラス5回」を意識する
これで、あなたの食生活が変わります。
1:固いものを食べる
まずは、固いものを食べること。例えば、このように。
- 白米→玄米
- まんじゅう→せんべい
- ケーキ→ラスク
- 肉は赤身
- 魚は小魚で骨ごと

ちなみに私は「魚では、なるべく骨も食べる」ようにしています。
2:1口食べるたびに、はしをおく
1口食べるたびに、はしを置きましょう。時間をかければ、多く噛めます。
3:ガムをかむ
続いてガムをかむ。先ほどの論文でも出てきましたが、噛むことに慣れるのも大事です。私も毎日噛んでいますね。
4:味わう
続いて、味わうこと。味覚は舌にあります。つまり「美味しいという幸せ」を多く感じるには、長い時間、口にあることが必要。せっかく手に入れた「幸せ」ですから、みずから手放すなんて、もったいないです。
5:食べている時に、水・お茶を飲まない
食べている時に、水・お茶で流し込まないこと。多くの人がやっています。私は、ご飯の間、みそ汁以外は、一切飲みません。細かくして、唾液と一緒に飲み込めるまで、噛み続けましょう。
6:「プラス5回」を意識する
最後に、今まで「プラス5回」を意識すること。本やインターネットでは、よく「1口30回」と言っていますが、面倒になります。これなら、簡単で手軽ですよね。

まずは「やること」そして「続けること」です。
噛むと得られる4つの効果を確認
噛むと得られる効果を、確認しましょう。
- ストレス解消
- 満腹感が得られる
- 口の中が綺麗に保てる
- 脳が活性化される

全て証明があります。ご覧ください。
【 ストレス解消効果がある 】
ガムを噛むと、脳のセロトニン神経が活性化し、ストレスを緩和する効果があるそうです。
ヨガやウォーキングでも、同じ効果があるそうですがガムを噛むだけなら、仕事中や運転中などでもお手軽に出来るのでいいですね。
【 満腹感が得られる 】
Smit ら(2011)(参考文献 8)は、筋電図で咀嚼行動を監視しながら、一口量の食物を35回咀嚼した場合と 10 回咀嚼した場合で比較しました。その結果、35 回咀嚼すると「満腹」を感じるまでの食事時間は 2 倍になったにもかかわらず、食事量は減少することを見出しています。この結果は、これまでに発表されている摂食速度(食べる速さ)に影響を及ぼす要因を調査した研究と一致し、ゆっくり食べることで食事量、すなわち取り込むエネルギー量を減らせることを示しています。
【 口の中が綺麗に保てる 】
「硬ガム」を噛むと刺激時唾液量が「軟ガム」に比べて有意に多いことが確認された。「硬ガム」の咀嚼前後で有意に唾液中の菌数が減少していることが確認された。更に「軟ガム」と「硬ガム」を比較すると,唾液中菌数の減少率に有意な差が認められた。「硬ガム」を噛んだ後の方が噛む前に比べて,認知課題中の脳活動が有意に高くなることが確認された。これらのことから,硬さの異なるガムを噛んだ際の咀嚼効果に対する新たな知見が得られた。食品としてのガムは,硬いガムの方が軟らかいガムより,刺激時の唾液分泌量を増加させ,唾液中の菌数を減少させることが示唆され,口腔衛生への寄与が期待された。硬いガムは日常生活においてQOLを維持向上させる簡便なツールとして活用される可能性が期待された。
【 脳が活性化される 】
咬むと脳が直ちに活性化されることが最近になって分かってきました。機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いて咀嚼運動による脳への影響を調べた報告によると、咀嚼により直ちに脳の特定の領域の血流量が増加することが明らかとなりました。

しかも、無料で出来る。素晴らしいですよね。
まとめ
噛むことは、食事だけでなく、人生にとって大きな点です。多くの人が、毎日3回行っている。ここが変われば、人生が改善されます。さあ、あとは行動だけ。いますぐ始めましょう。
裏技はない。だからこそ、真実。あなたの体も、考えも変わる。さあ、早速始めましょう。