「筋トレしても、体重が減らないな」「体脂肪も変化が無いの…」と悩んでいるあなた。その理由は、次の通りです。
- 1:トレーニングだけ
- 2:食べ過ぎ
- 3:プロテインを追加しただけ
- 4:極端な食事制限をしている
- 5:糖質制限が激しい
- 6:グリコーゲンを使っただけ
- 7:アルコールを飲んでいる
ただ、筋トレは「脂肪を分解する力」があります。だから、安心すること。そして食事の改善をしましょう。さらに、時間があるなら、有酸素運動もおすすめです。
最後に大事な点。筋トレが「ストレス解消」「楽しい」なら、あなたの勝ちです。焦ることはありません。さあ、しっかり読み進めてください。
減らない7つの理由
減らない理由は、次の通りです。
- 1:トレーニングだけ
- 2:食べ過ぎ
- 3:プロテインを追加しただけ
- 4:極端な食事制限をしている
- 5:糖質制限が激しい
- 6:グリコーゲンを使っただけ
- 7:アルコールを飲んでいる
1つずつ確認です。
1:トレーニングだけ
まずはトレーニングだけしている点。実は、運動のカロリーは、高くありません。
筋トレで使うカロリーを計算する
筋トレで使うカロリーを計算してみましょう。まず、その計算式の確認です。
カロリー=
- 運動の強さ(メッツ)×
- 運動時間(時間)×
- 体重(kg)×
- 1.05
そして、筋トレのメッツは、色々あります。
- 【 3.5メッツ 】
レジスタンス(ウェイト)トレーニング:複合的エクササイズ、様々な種類のレジスタンストレーニングを8-15回繰り返す
- 【 5メッツ 】
レジスタンス(ウェイト)トレーニング:スクワット、ゆっくりあるいは瞬発的な努力で
- 【 6メッツ 】
レジスタンストレーニング(ウェイトリフティング、フリーウェイト、マシーンの使用)、パワーリフティング、ボディービルディング、きつい労力
- 【 8メッツ 】
コンディショニング運動(conditioning exercise)
健康体操(例:腕立て伏せ、腹筋運動、懸垂、ジャンピングジャック(ジャンプしながら手足を開閉):きつい労力
ここでは、1番大きな「8.0」を使います。
さらに回数を「15回で限界を3セット」とすると「1回あたり6秒」だとしたら「15×6×3=270(秒)=0.075(時間)」になります。このため、体重「65kg」の人が、トレーニングをすると…。
- 8.0(メッツ)×
- 0.075(時間)×
- 65(kg)×
- 1.05=
39kcal
と、ほんのわずかです。
2:食べ過ぎ
続いて、食べ過ぎな点。ダイエットにもなっていないことも、あり得ます。
お相撲さんの生活を見れば簡単にわかる
運動しても、食べ過ぎれば太ります。当然です。お相撲さんは、稽古(けいこ)で厳しいトレーニングをしているのに、あの体型。だから、食事の改善が必要なのです。
3:プロテインを追加しただけ
プロテインを追加しただけも、減りません。先ほどと同じ、取り過ぎれば、太るから。
プロテインにもカロリーがある
プロテインにも、カロリーがあります。実際に見てください。
- 森永ウイダープロテイン(20g)
【 55~110kcal 】
- グリコ ホエイプロテイン(20g)
【 74 kcal 】
- 明治 ザバス ホエイプロテイン(21g)
【 81kcal 】
- ザバス for Woman シェイプ&ビューティ(21g)
【 77kcal 】
「筋肉が自動的につく魔法の粉」ではありません。牛乳や大豆の「タンパク質」を「粉上に加工した」ものですからね。つまり、食べ物と同じです。
4:極端な食事制限をしている
そして、極端な食事制限も、体重が変わりません。なぜなら、体が危険だと判断するから。
体が「危ない」と思うと「エコモード」になる
体が「危ない」と思うと「エコモード」になります。なぜなら、生命の維持のために「エネルギーを使わない」から。そして、次の状況が考えられます。
- 絶食
- 1,000kcal以下
- 1ヶ月に体重の5%以上減っている
- 1ヶ月に3キロ以上減っている
つまり、体の維持を優先するから、体重が変動しないのです。
5:糖質制限が激しい
糖質制限が激しいのも、同じですね。体に「使えるエネルギーが入らない」のも、辛くなります。
糖質が入らないと、トレーニングが追い込めない
すぐ使えるエネルギーが無いと、トレーニングが追い込めません。だから、筋肉の成長も緩やかになり、体の変化も少ないのです。
糖質は「3大栄養素」
糖質は「タンパク質」「脂質」と並んで、3大栄養素とも言われます。極端に抑えたままの生活は、やはり大きな負担をかける。だから、脂肪をそのままにしようと、体が反応するのです。
6:グリコーゲンを使っただけ
筋トレして、3週間~1ヶ月ほどしただけなら、グリコーゲンが無くなった可能性もありますね。これは、肝臓や筋肉にため込んでいる栄養で、ダイエットし始めると、まず使われます。
そして「グリコーゲン1gあたり、水分が3gついている」。つまり、使っている間は、体重の落ちるスピードが速い。
最初は水分が抜けていきます。体の70%あるので、当然、変動もしやすい。例えば、今、話題の「糖質(とうしつ)制限」をすると、体内の栄養であるグリコーゲンが使われます。これを1g使うと、体から3gの水が抜けていきます。
~(中略)~
この状態で糖質制限を行うと、筋グリコーゲンや肝グリコーゲンが枯渇し、それに伴って当然結合水もなくなるわけです。
そうすることによって、約2キロ近く体重を減らすことができます。
このことが糖質制限初期における体重減少のメカニズムになります。逆に考えると糖質制限を継続していた方がご飯や甘いものなど糖質をとってしまった場合において、体重の増加の大部分がグリコーゲン+結合水の重さであり、すぐに体脂肪が増えたわけではないので、そのあたりは安心してください。
糖質制限中に旅行やイレギュラーな食事会などで糖質を取ったあと思いのほか体重が増加するのはこういう理由からです。
さらに糖質は細胞に水を引き込むという性質があるので、体重が増えて思うように走れなくなることもあります。なぜなら、水3gは貯蔵したグリコーゲン1gと結合するので、グリコーゲン300~400gを補給増加すると900~1,200gの水をともない、体重として1,200~1,600gが増加する計算となります。
ただ、使い終わると、体重の変化があまりなくなる。だから「減らない」と悩むのです。

7:アルコールを飲んでいる
アルコールを飲んでいると、やはりダイエットしにくいです。その理由は次の通り。
- 睡眠が浅い
- 時間が長い
- アルコールのカロリー
- おつまみのカロリー
こちらも、1つずつ確認です。
その1:睡眠が浅い
まずは、睡眠が浅い点。なぜなら、分解に時間がかかるから。厚生労働省のサイトでも、ビール「中ビン1本」でも「2~3時間かかる」ことを指摘しています。
アルコールの消失(分解)速度
アルコールの吸収は速やかに行なわれます。それと共に分解も速やかに開始されます。飲酒後血中濃度のピークは30分~2時間後に現れ、その後濃度はほぼ直線的に下がります。血中のアルコール消失(分解)速度は個人差が非常に大きいことが知られています。私どもの実験結果によると、消失速度の平均値は男性でおよそ1時間に9g、女性で6.5g程度です。ビール中ビン1本(20g)が、分解されるのにおよそ男性では2.2時間、女性では3時間程度かかります。これはあくまでも平均値ですから、目安と考えてください。
消失速度に影響する要因
要因としてまず挙げなければならないのは肝臓の大きさです。大きい方がアルコールの分解は速くなり、体の大きい人は小さい人より、また一般的に男性は女性より速いのはこのためです。
つまり「内臓は、ずっと動き続けている」。だから、睡眠が深くならない。
そして、これはホルモンバランスを整えるもの。ホルモンには、脂肪を分解する「カテコールアミン」それを邪魔する「インスリン」さらに、太らせる「コルチゾール」などがあります。
【 カテコールアミン 】
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
【 インスリン 】
インスリンはカテコールアミンによる脂肪分解を抑制し、脂肪分解抑制作用をもつホルモンとして重要である。
【 コルチゾール 】
コルチゾールとは副腎皮質から分泌されるステロイドのことで、血糖値を高めて、エネルギーを生成し、炎症を抑える働きをします。
別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、働き過ぎや、睡眠不足、過度のダイエットによりストレスが溜まると、コルチゾールの値も高くなっていき、お腹の脂肪や内臓脂肪が出来やすくなります。
こういったマイナス面があります。
その2:時間が長い
アルコールを飲むと、飲み食いの時間が長くなります。食事なら20~30分で終わりますが、お酒を飲むと、この倍以上かかる。時間が長いと、食べ過ぎの可能性も高くなります。
その3:アルコールのカロリー
アルコール自体にもカロリーがあります。
アサヒ スーパードライ 350ml
- 【147kcal】
キリン 氷結R シチリア産レモン 350ml
- 【157.5kcal】
これは「エンプティカロリー」と言われ、すぐに使われるもの。ただ、その間「脂肪」や「食べ物のカロリー」は後回し。だから、太ってしまうのです。
その4:おつまみのカロリー
おつまみのカロリーは高いですよね。揚げ物や、お菓子など、かなり高い。今のあなたは「ダイエット中」なので、それほど取っていないとは思いますが。


となるわけです。
筋トレには脂肪を分解する力がある
筋トレには、脂肪を分解する力があります。なぜなら、全力を出す運動は、先ほどの「カテコールアミン」を出すから。
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さの)約2倍もの濃度差が認められた
ちなみに「これ以上無理」となるまで、追い込むことを「オールアウト」と言います。
「色々な種類」を組み合わせること
筋トレは、長い時間できません。そこで「色々な種類」を組み合わせることで、その時間が確保できます。私は次のメニューをしています。
- 腕立て伏せ
- 腹筋
- ブリッジ
- スクワット
- 腹筋ローラー
【3セット(1セット10~20回)】
これで、20~30分ほどかかります。

ちなみに腹筋ローラーはこちらです。

筋肉がつくのは、太ると一緒
そして、筋肉がつくのは、太るのと一緒です。太る、痩せるの違いはこちら。
- 太る
筋肉、脂肪など「体に何かがつく」
- 痩せる
筋肉、脂肪など「体から何かが取れる」

つまり、カロリー「少し多く取る」と、筋肉は成長しやすいのです。
筋肉、体型の種類
トレーニングの仕方で、つく筋肉と、体型に違いが出ます。
- 大きくて、強い筋肉
- 8~12回で限界を迎えるトレーニング
- 細く、引き締まった筋肉
- 20回以上で限界を迎えるトレーニング
- その間の筋肉
- トレーニングの違いで、どちらかの特徴になる
- 体の表側を鍛える
- 引くトレーニング
- ボディビルダーなどが、この体型
- 体の裏側を鍛える
- 押すトレーニング
- ボクサー、マラソンランナーが、この体型

ぜひ参考にしてください。
大きな筋肉を使うトレーニング
トレーニングには、大きな筋肉を使いましょう。これは、車のエンジンと同じで、エネルギーもたくさん使うので、ダイエット効果も高くなります。
- 1-1:腕を広げたけんすい
- 1-2:腕立て伏せ
- 2-1:腕を広げた腕立て伏せ
- 2-2:体を横に移動させる
- 2-3:ベンチプレス
- 3-1:ワイドスクワット
- 3-2:バーベルスクワット

実際に、イラストで見てみましょう。
1:背中を使うトレーニング

背中の筋肉は「広背筋(こうはいきん)」と言います。

1-1:腕を広げたけんすい

- 腕を広げて、棒を持つ
- このまま1秒キープする

- 息を吐きながら、体を上げる
- 2秒かけて行う
- 下半身の反動は使わない

- 棒とおでこがつくくらいで、1秒キープする

- 息を吸いながら、体を下す
- 2秒かけて「A」に戻す
1-2:腕立て伏せ

腕立て伏せもいいですね。腕を閉じると、よりきつくなります。

- 手を閉じる
- 親指と人差し指で三角形を作るように
- このまま1秒キープする

- 息を吸いながら、体を下す
- 2秒かけて、ゆっくり行う

- 手の指と、胸の間が少し空くくらいで、1秒キープする

- 息を吐きながら、体を上げる
- 2秒かけて「A」に戻す
2:胸を使うトレーニング

続いて、胸の筋肉「大胸筋(だいきょうきん)」です。

2-1:腕を広げた腕立て伏せ

腕の幅は、肩の1.5~2倍ほどにしましょう。
【前から見た場合】

【下から見た場合】


それでは、動きの確認です。

- 肩幅の1.5~2倍ほどに腕を広げる
- このまま1秒キープする

- 息を吸いながら、体を落とす
- 2秒かけて、行う

- 床ギリギリまで落として、1秒キープ

- 息を吐きながら、体を上げる
- 2秒かけて「A」に戻す
2-2:体を横に移動させる

- 腕立て伏せのように、体を支える
- 腕は90度ほど

- 左に移動させる
- ゆっくり2秒かけて、行う

- また「A」に戻す

- 右に移動させる
- ゆっくり2秒かけて行う
2-3:ベンチプレス

ベンチプレスもいいですね。ダンベルなら、割と買いやすいし、持っている人も多い。まずは、形を見ていきましょう。
【上から見た形】

【横から見た形】


そして、動かし方は、上げたときに少し腕を閉じましょう。これで、胸の筋肉が使われます。

3:お尻、足を使うトレーニング

最後にお尻の「大殿筋(だいでんきん)」足の筋肉の「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」「ハムストリングス(太ももの裏)」になります。
【大殿筋】

【大腿四頭筋】

【ハムストリングス】

3-1:ワイドスクワット

- 足を肩幅の1.5~2倍ほど広げる
- このまま1秒キープする

- お尻を後ろに落とすようにする
- 2秒かけて、息を吸いながら行う

足の形、動かし方をより詳しく見ると、このような感じです。
【前から見た形】

【お尻を後ろに落とすように】

3-2:バーベルスクワット

- バーベルを肩に乗せる
- 負荷は、作りたい筋肉による

- お尻から落とすように行う

かなりイメージがついたはずです。
筋トレが「ストレス解消」「楽しい」なら、あなたの勝ち
筋トレで「ストレス解消できる」「楽しい」なら、あなたの勝ちです。なぜなら、絶対に続くから。これが成功にとって、本当に必要なもの。私も同じで、運動も食事の改善も全て楽しい。だから、176㎝、65kgの体型を28年間、自然とできているのです。


有酸素運動は「時間があれば」
有酸素運動は、時間があれば行いましょう。確かに、この運動も、カテコールアミンを出します。
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.
ただ、時間が割と長く、雨などの天気にも影響されるので「時間があれば」行いましょう。
食事制限を組み合わせることが大事
食事制限と組み合わせることが大事です。先ほどからお話ししている通り、食べ過ぎれば太るから。
カロリーは必ず「基礎代謝以上」
まず、カロリーは基礎代謝以上取りましょう。これは「1日に必要な最低限のカロリー」のことで、体重、身長、年齢で違ってきます。
ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を使って基礎代謝量を計算しています。
男性
- 13.397×【体重(kg)】
- +4.799×【身長(cm)】
- -5.677×【(年齢)】
- +88.362
女性
- 9.247×【体重(kg)】
- +3.098×【身長(cm)】
- -4.33×【(年齢)】
- +447.593
これ以上必ず取りましょう。
これ以下は、筋肉を分解する
これ以下になると、筋肉を分解し、エネルギーを作り出します。なぜなら「エネルギーを多く使う邪魔なもの」だから。これを「糖新生(とうしんせい)」と言います。そして、脂肪はそのまま。つまり、今のあなたの状況です。
バランスの取れた食事こそ、最強
バランスの取れた食事こそ、最強です。なぜなら、体には色々な栄養が必要だから。骨も、肌も、爪も、髪も、筋肉も、全て作り変える必要がある。その材料が必要で、食べることで体内に入れられる。だから、栄養バランスが大事なのです。
2~3日で、バランスを取る
2~3日で、バランスを取りましょう。1食ずつ、1日ごとだと面倒なうえ、消化にも2日ほどかかるので、この期間で考えること。これなら、簡単に出来ます。
食べたいものと、不足している栄養は違う事実
実は「これが食べたい」と思ったとき、別の栄養を欲している可能性があります。その一覧がこれです。
【カリウムが不足】
- アボカド
- 納豆
- バナナ
- りんご
【ミネラルが不足】
- 魚介類
- ナッツ
- 豆腐
- 納豆
【たんぱく質が不足】
- 赤み肉
- チーズ
- 卵
- サラダチキン
【マグネシウム不足】
- サバ
- クルミ
- きのこ
- ひじき

ぜひ参考にしてください。
まとめ
筋トレしても、体重や体脂肪が減らないのは不安ですよね。ただ、そこには原因がある。
そして、筋トレが楽しいなら、あなたの勝ちです。ぜひ続けてください。体型が変わるのは、やる気が出てきますからね。あとは、食事の改善をしっかり行うこと。これで、体が応えてくれます。
本来のスピードに戻っただけですよ。