「なかなか、体脂肪が減らないんだよな」と悩んでいるあなた。その理由は、次の通りです。
- 1:実は減っている
- 2:運動だけのダイエット
- 3:かなり厳しい食事制限をしている
- 4:1か月に体重の5%、または3キロ以上減っている
- 5:2ヶ月以上、ダイエットが成功している
- 6:目標がかなりおかしい
そして、体脂肪率は「ただの数字」なことも、説明しましょう。さらに、筋肉と脂肪は「同時に減ること」。普通のダイエットこそ最強である点も解説します。これで、目の前が開ける。さあ、早速、読み進めましょう。
減らない6つの理由
では、減らない理由は、次の通りです。
- 1:実は減っている
- 2:運動だけのダイエット
- 3:かなり厳しい食事制限をしている
- 4:1か月に体重の5%、または3キロ以上減っている
- 5:2ヶ月以上、ダイエットが成功している
- 6:目標がかなりおかしい
1つずつ確認しましょう。
1:実は減っている
まず「実は減っている」点。計算してみると、よくわかります。
体脂肪が同じでも、体重が減っていると
「60kg、体脂肪率20%」から「50kg、体脂肪率20%」になったとしましょう。
- 60(kg)×0.2=12(kg)
- 50(kg)×0.2=10(kg)
つまり「2kgは体脂肪が減った」と言えるのです。

2:運動だけのダイエット
運動だけのダイエットも、体脂肪が減りません。なぜなら、運動で使うカロリーは「思っているより少ない」から。
使うカロリーを計算してみる
では、使うカロリーを計算してみましょう。まず運動での計算式です。
カロリー=
- 運動の強さ(メッツ)×
- 運動時間(時間)×
- 体重(kg)×
- 1.05
さらに、ジョギングで見ていくと、運動の強さは「6.0」。つまり「60kg」の人が「1時間」という、かなり長い時間走った場合
- 6.0(メッツ)×
- 60(kg)×
- 1(時間)×
- 1.05
=378(kcal)

つまりケーキ1個分です。


はい。むしろ太りますよ。500kcal以上のケーキもありますからね。
3:かなり厳しい食事制限をしている
かなり厳しい食事制限も、あり得ますね。これは「基礎代謝(きそたいしゃ)」という「1日に必要な最低限のカロリー」が基準となります。
基礎代謝の計算式
基礎代謝の計算式は、こちらです。
ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を使って基礎代謝量を計算しています。
男性
- 13.397×【体重(kg)】
- +4.799×【身長(cm)】
- -5.677×【(年齢)】
- +88.362
女性
- 9.247×【体重(kg)】
- +3.098×【身長(cm)】
- -4.33×【(年齢)】
- +447.593
これ以下になると「必要なカロリーすら、入ってこない」と、体は感じ、エネルギーを使わなくなります。当然ですよね。入ってくるのが「少ない」わけですから
筋肉を分解して、リバウンドしやすい体になる
そして、足りない分は筋肉を分解して、エネルギーを作ります。これを「糖新生(とうしんせい)」と言うのです。その理由は「筋肉」と「脂肪」の扱いが変わるから。
筋肉
- エネルギーを多く使う「邪魔」なもの
脂肪
- エネルギーの貯金で「大事」なもの
そして、筋肉が無くなると、さらにエネルギーを使わず、リバウンドしやすい体になります。だから、絶食した後は、すぐに太るのです。
4:1か月に体重の5%、または3キロ以上減っている
大きな体重減少も、危ないですよね。基準は次の通りです。
1ヶ月に
- 体重の5%以上
- 3キロ以上
のどちらか

これも、体の機能が関係します。
ホメオスタシス(恒常性)で、元に戻ろうとする
体に大きな変化が起きると、元も戻ろうとします。これを「恒常性(こうじょうせい)」といい「ホメオスタシス」とも呼ばれます。
恒常性は生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもある。生体恒常性とも言われる。
ホメオスタシスとは恒常性の維持機能 即ち、自律神経系、内分泌系、免疫系が互いに調節し合い(相関)正常な心身状態を保とうとする働きをいう。つまり身体や周囲の環境が、少し正常な状態から外れた状況の場合に身体が勝手に判断して正常な状態(健康)にもどす反応が現れる現象のことである。
つまり、体が昔の体型を「普通」とインプットしており、そこに戻すのです。だから、体重が変わりにくいのです。
5:2ヶ月以上、ダイエットが成功している
2か月以上、ダイエットが成功している人も、減りにくいですね。なぜなら「ずっと、食べ物が足りない」状態だから。
飢餓(きが)になると、体はエネルギーを使わなくなる
人は昔から、食べ物が足りない状態でずっと生きてきました。だから「カロリーを使わないモード」を、太古の時代から、育ててきたのです。
ダイエットは、これと同じ状況を作り出します。これが理由となるのです。
6:目標がかなりおかしい
最後に目標がおかしいこと。つまり「あなたがイメージしている通りには、なかなか減らない」と感じているだけです。
2週間で体脂肪率10%マイナス?
2週間で体脂肪率10%マイナスと言っているあなた。どれだけすごいか、確認しましょう。
先ほど「60kgの体脂肪率20%」と言う人が「55kgで体脂肪率10%になった」場合
【脂肪の量】
- 60(kg)×0.2=12(kg)
- 55(kg)×0.1=5.5(kg)
12-5.5=6.5(kg)の脂肪が無くなる
「脂肪1kgは7,200kcal」なので、6.5kgのカロリーは
- 7,200(kcal)×6.5=46,800(kcal)
これをジョギングした場合
- 6.0(メッツ)×
- 【●●(時間)】×
- 60(kg)×
- 1.05=
- 46,800(kcal)
→136時間30分
となります。


しかも脂肪だけが落ちるわけではないです。筋肉やそのほかの水分も落ちると考えると、この倍の時間は必要ですね。


はい。1日1時間で、1年ほどかかりますね。


そこで、数字なんて意味がない!とお話しします。
体脂肪率は、ただの数字
体脂肪率は、ただの数字です。なぜなら、正確ではないし、誰も知らないから。
正確性がない
体脂肪率計を作っているタニタのサイトでも、このように記載しています。
生体電気インピーダンス(BIA=Bioelectrical Impedance Analysis)法とは、からだに微弱な電流を流し、その際の電気の流れやすさ(電気抵抗値)を計測することで体組成を推定する方法です。「脂肪はほとんど電気を流しませんが、筋肉などの電解質を多く含む組織は電気を流しやすい」という特性を利用します。
これは食事や入浴により体水分・体温などの変化が起こることで体組成の計測値に影響が出ることで、日々の変動傾向の把握を妨げてしまうためです。
さらに、なかやまきんに君の動画で、ボディビルダーのジュラシック木澤さんとの対談でも同じ話が出ています。
誰も知らない
さらに、誰も知らない数字です。あなたは、親、子供、兄弟、同僚、友人、隣の人、道ですれ違った人の体脂肪率を正確には知らない。つまり「どうでもいい」数字なのです。
見るべきは「体型」
そして、見るべきは「体型」です。なぜなら「あなたの印象そのもの」だから。細く引き締まった体型なら、85kgでも、90kgでも、全く問題ないのです。
同じ体重でも、体型はかなり違う
同じ体重でも、体型は全く違います。サッカー選手のクリスチアーノ・ロナウドと、芸人の兵頭大樹さんは、同じ84kgです。
これは脂肪と筋肉は、同じ重さでも、全く違う体積のためです。
体重も体脂肪も、全く意味がありません。
筋肉と脂肪が減るのは同時
筋肉と脂肪が減るのは、同時に起きます。なぜなら「痩せる」とは「筋肉、脂肪など、体から何かが無くなる」ことだから。つまり、筋肉を付けるのも「太る」意味なのです。
筋肉↑脂肪↓は、かなり困難
筋肉を付けて、脂肪を減らすのは、かなり困難です。かなり太っている人なら、あり得るでしょう。使う脂肪がたくさんあるので、筋肉をかなり鍛えれば、この状況も考えられます。ただ、それも脂肪が減るごとに、どんどんペースが落ちます。
ボディビルダーが「筋肉を落とさない」ために「すごいトレーニング」をしている現実
ボディビルダーは、大会の2~3か月前から減量に入ります。そして、筋肉を落とさないため、さらにその状況でも成長させるため「すごいトレーニング」をしています。だから、体脂肪率が10%以下になるのです。
【ボディビルダーの大会前】

【うっすら割れた腹筋が見える】

【細く引き締まった体】

【普通の体型】

普通のダイエットこそ、最強の方法
普通のダイエットこそ最強の方法です。なぜなら、あなたの体は「食事」と「運動」だけで作られるから。
食事だけ、運動だけではダメ
どちらか一方だけでは、ダメです。食事だけでは、筋肉が衰えるし、運動だけでは、食べ過ぎを生む可能性があるから。どちらも行いましょう。
停滞期は次のステージへ行くタイミング
もう1つ。ある程度減った後なら、次のステージへ行くタイミングです。停滞期は「ダイエット初心者卒業の証」ですからね。
つまり、あなたは「成功者の1人」。自信をもって、運動と食事を改善しましょう。
1:食事制限は、バランスの取れた食生活を心がける
では、まず食事制限ですが「バランスの取れた食生活」を心がけること。なぜなら、人の体には色々な栄養が必要だから。骨も、髪も、血液も、血管も、内臓も、筋肉も、肌も、全て作り変えて生きています。だから、この材料を「口から取る」ことが、最も大事です。
2~3日でバランスを取る
まず「2~3日で」バランスを取りましょう。毎日、毎食は面倒で手間なのと、食べ物の消化にも、これくらい時間がかかるため、問題ありません。
これで飲み会なども、参加できますよね。
タンパク質を多めに
知っている人も多いでしょうが、タンパク質を多めに取りましょう。なぜなら、体を作る栄養の1つだから。こちらをご覧ください。
- 水分 : 62.6%
- タンパク質:16.4%
- 脂質:15.3%
- ミネラル:5.7%
- 糖質:1%未満
つまり材料が豊富になるので、体も変わっていくのです。
【 タンパク質が太りにくい理由 】
タンパク質を食べると、代謝が上がります。これは他の食品と比べると多く、食べた分の「30%」が熱として、使われます。(炭水化物:6%、脂肪:4%)これを、食事誘発性熱産生 (しょくじゆうはつせいねつさんせい)と言うのです。
食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。この代謝の増加を食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)または特異動的作用(SDA: Specific Dynamic Action)といいます。
食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
だから、タンパク質を中心にお話しするのです。
プロテインは、魔法の粉ではない
ここまでお話ししてきましたが、プロテインは魔法の粉ではありません。なぜなら、筋肉の本当の栄養は「トレーニング」だから。タンパク質を取っただけで、筋肉はつきません。
最強は「鍋もの」
最強は「鍋もの」です。肉、魚、野菜、きのこ、海藻など、何でも入れられるから。味も変えられるので、すごくおススメですよ。
カロリーのコントロールの仕方
カロリーのコントロールの仕方も、先ほどの「2~3日」で制限する方法もあります。例えば「1日1,600kcal」とする場合「3日間で4,800kcal」となります。これを
- 1・2日目…1,400kcal
- 3日目…2,000kcal
これで、体は「ダイエットが終わった」と3日目に騙されるので、体のエコモードのスイッチも入りにくい。こういった方法もあるのです。
2:筋トレ
筋トレは脂肪を分解します。その条件が「全力」を出すこと。なぜなら、この運動が、脂肪を分解するホルモン「カテコールアミン」を出すから。こちらが証明になります。
【 カテコールアミン 】
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
【 全力運動 】
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さの)約2倍もの濃度差が認められた
大きな筋肉を使えば、エネルギーも多く使う
大きな筋肉を使えば、エネルギーも多く使います。車のエンジンと同じですね。胸、足、お尻などを使えば、筋トレの効果も上がります。
- 太ももの表側(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)
【1,913㎤】
- 背中(広背筋:こうはいきん)
【550㎤】
- 胸(大胸筋:だいきょうきん)
【676㎤】
- お尻(大殿筋:だいでんきん)
【864㎤】
スロートレーニングなら、全力を出せる
スロートレーニングなら、同じ筋トレでも、全力を出せます。例えば、腕立て伏せも「10秒」かけると、辛くなります。
【まずは2秒】

【下ろす時、4秒】

【下ろして、2秒】

【上げる時、4秒】

今までのトレーニングも、全く別のものになりますよ。
3:有酸素運動
有酸素運動も、先ほどのカテコールアミンを出します。こちらが証明になります。
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.
では、こちらもポイントを確認しましょう。
20分以上90分以下にする
20分以上90分以下にしましょう。短すぎても、長すぎても、脂肪を分解しにくい。長い時間行うと、少しのカロリーでも動けるので、ダイエットがしにくくなります。
通勤・通学に入れ込むのもアリ
これだけの時間がかかるので、通勤・痛が鵜に入れ込むのもアリですね。

着替え・靴・カバンなどをしっかり準備すること。これだけで、かなり違いますよ。
まとめ
なかなか体脂肪が減らないのは、辛いですよね。
でも「ただの数字」だと分かれば、何も不安はありません。そして、普通のダイエットこそ最強であると、認識しましょう。王道こそ、成功への道につながっている。あとは、あなた次第ですよ。
でも「8kgは脂肪以外」とも言えますね。