「走っているのに、体重が減らないんだよな」と悩んでいるあなた。その理由は、次の通りです。
- 1:やり方が間違っている
- 2:体が危険と判断している
さらに、解決方法もそれぞれ説明します。そして「走るのが楽しい」なら、絶対に続けましょう。それこそ「成功に必要なこと」です。さあ、あなたのダイエットも「走り続ける」のです。
減らない2つの理由
減らない理由は次の通りです。
- 1:やり方が間違っている
- 2:体が危険と判断している
では、1つずつ確認しましょう。
1:やり方が間違っている2つの場合
やり方が間違っているのは、次の2つが考えられます。
- 1―1:走っているだけ
- 1-2:時間が長い
もちろん、確認します。
1―1:走っているだけ
まずは「走っているだけ」。つまり、食事制限をしていない点です。
走るカロリーは意外と低い
走るカロリーは意外と低いです。実際に計算してみましょう。まず、運動で使うカロリーの計算式はこちらです。
カロリー=
- 運動の強さ(メッツ)×
- 運動時間(時間)×
- 体重(kg)×
- 1.05
そして、ジョギングのメッツも確認しましょう。これは速さで違いが出てきます。
〇:1㎞あたり10分
- 6.4㎞/時=6.0メッツ
- 30分で3㎞
〇:1㎞あたり7分30秒
- 8.0㎞/時=8.3メッツ
- 30分で4㎞
〇:1㎞あたり6分
- 9.7㎞/時=9.0メッツ
- 30分で5㎞
つまり60kgの人が、1時間走ると
〇:1㎞あたり10分
- 378kcal
〇:1㎞あたり7分30秒
- 523kcal
〇:1㎞あたり6分
- 567kcal

「ご褒美を食べる」と「走らない」のは一緒


「頑張らない」のと同じになりますね。
1-2:時間が長い
続いて、時間が長い点。1回あたり走るのが長いと、実は「カロリーを使わなくてもいい体」になります。なぜなら「長く走れる」から。
痩せにくい体になっている
つまり、瘦せにくい体と同じになります。カロリーを多く使うことが、ダイエットの成功に必要な条件。これとは「逆」なので、当然失敗につながります。
1の【解決方法】:食事制限・筋トレをプラスする
これら2つの解決方法は、食事制限・筋トレをプラスすること。なぜなら「食べたカロリー」が「使ったカロリー」より低いことが、ダイエット成功の条件で、2つのカロリーとも変化させることが大事だから。
- 使うカロリーを増やす→筋トレをプラス
- 食べたカロリーを減らす→食事制限をプラス

シンプルにして王道ですね。この点を後ほど、詳しくお話しします。
2:体が危険だと判断している3つの場合
体が「危険」と判断しているのは、次の3つの場合です。
- 2-1:すごい食事制限をしている
- 2-2:1ヶ月に体重の5%、または3キロ以上減っている
- 2-3:2か月以上、ダイエットが成功している
では、確認です。
2-1:すごい食事制限をしている
まず「すごい食事制限をしている」こと。これは、ダイエットどころではありません。
1日に必要な最低限のカロリーである「基礎代謝」以下や、かなり厳しい「糖質制限」が、あたります。絶食や1,000kcal以下、1日30g以下と言う「スーパー糖質制限」をすると、体はおかしいと判断します。
筋肉が減ってしまう
ここまで厳しいと筋肉が減ることも十分考えられます。なぜなら、筋肉は「たくさんカロリーを使う邪魔なもの」で、分解したほうがいいから。筋肉からエネルギーを作る働きも、人の体は持っており、これを糖新生(とうしんせい)というのです。
しかもマラソンは引き締まった体になるので、余計太い筋肉は抑えられる。これが、起きてしまうのです。
2-2:1ヶ月に体重の5%、または3キロ以上減っている
大きな変動も、体は危ないと思いますね。急に体重が減ってしまうと「生命の維持」も難しくなります。だから「元に戻ろう」と反応します。これが「ホメオスタシス(恒常性:こうじょうせい)」です。
恒常性は生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもある。生体恒常性とも言われる。
ホメオスタシスとは恒常性の維持機能 即ち、自律神経系、内分泌系、免疫系が互いに調節し合い(相関)正常な心身状態を保とうとする働きをいう。つまり身体や周囲の環境が、少し正常な状態から外れた状況の場合に身体が勝手に判断して正常な状態(健康)にもどす反応が現れる現象のことである。
生きる上では、当然の反応になります。
2-3:2か月以上、ダイエットが成功している
2か月以上、ダイエットが成功している人も、体は「危険」だと感じます。つまり「成功している場合」にも起こる。なぜなら、食べ物が少ない飢餓(きが)状態と一緒だから。
太古のころから、食べ物は少ない状態が続いていました。それでも生きるために、カロリーを使わなくても、大丈夫なモードができたのです。
2の【解決方法】:チートデイ、食生活の改善を行う
この解決方法は「チートデイ」や「食生活の改善」になります。なぜなら「体が大丈夫」と思うことが必要だから。このため、運動をプラスすることや、さらなる食事制限は、無意味になります。
チートデイのやり方
チートデイとは「カロリーを多く取る日」です。これで「ダイエットが終わった」と体が感じる、だから体重がまた変わり始めます。

やり方は次の通りです。
①:2,500~4,500kcalほど取る
色々な計算式がありますが、多くがこの範囲内になります。基準としてください。
②:栄養バランスも考える
栄養バランスも大事。特に糖質制限の人は、しっかりと取りましょう。
③:①、②を守れば、あとは自由
あとは自由。なんでも食べてください。食事を大いに楽しみましょう。
カロリーの分け方
チートデイのコツを使って、カロリーを分けるのもいい方法です。例えば「1日1,500kcal」にする場合、次のようにしましょう。
- 1・2日目…1,300kcal
- 3日目…1,900kcal
これで、体が危ないという信号を出しません。しかもかなり追い込んだトレーニングもできるので、ぜひやってみてください。
走るのが楽しいなら、絶対に続けるべき
走るのが楽しいなら、絶対に続けるべきです。なぜなら、成功する条件だから。
ダイエットで失敗する人の多くが、ストレスを感じています。
- 走りたくない
- これくらいでいいよね。明日頑張ればいいし。
- 今日は疲れたから、もういいかな。
だから、走らなくなり、体もそのまま。
でも、楽しいあなたは違います。今日も走るし、明日も走りたいと思う。だから「自然と」続き、成功するのです。
停滞期は「何かを変える」タイミング
ただ、体重が減らない今は「停滞期」とも言えます。これは「何かを変えるタイミング」です。なぜなら、今のダイエット方法では「効かない」から。
現在の走る距離、ペースで、理想の体型に近づくと思うか、今1度、自分に問いかけてください。
そこまで厳しいトレーニングではないはず。だから「何かを変える」べき。そこで、次の3つを考えてみましょう。
- ダッシュ
- 筋トレ
- 食事制限
では、1つずつ確認します。
1:ダッシュをつける
まずはダッシュをつけること。ジョギングに入れやすいですね。やり方はこのようにしましょう。
- ダッシュ 15秒
- 休憩 45秒
これを4~8回入れる
HIIT(ヒート)という運動
数十秒の全力運動と、休憩を交互に行うことを「HIIT(ヒート)」と言います。全力を出すと、脂肪を分解するホルモン「カテコールアミン」を出るので、ダイエット効果もありますよ。
カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
全力運動だと、カテコールアミンを出す
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さの)約2倍もの濃度差が認められた


もちろん、出ます。
有酸素運動でも、出ます
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.
2:筋トレをつける
ダッシュがつらいなら、筋トレもいいですね。走るのに必要な筋肉をつけましょう。次の3つをご紹介します。
- ブランク
- 腹筋
- 腕立て伏せ
それでは、イラストを使って、確認です。
その1:ブランク
まずは、腕と足のつま先で体を支える「ブランク」です。


- 腕と足のつま先で、体を支える
- 体は一直線にする
最初は30秒、その後「15秒ずつ」増やしましょう。
その2:腹筋

腹筋もいいですね。体を支えるのに、重要になります。

- イスに座って、ひざを抱える
- 座面をしっかりつかんで、体を支える
- このまま1秒キープする

- 息を吐きながら、足を伸ばす
- 2秒かけて行う
- 上半身も少し後ろに倒す

- 足を伸ばしたまま、1秒キープする

- 息を吸いながら、足を曲げる
- 2秒かけて「A」に戻す
その3:腕立て伏せ

上半身の力も、当然大事ですからね。腕立て伏せも取り入れましょう。

- 手は胸の下あたり
- 肩幅くらいに広げる
- 体は一直線にする
- このまま1秒キープする

- 息を吸いながら、2秒かけて、体を下す
- 肩を背中側に引き寄せると、脇をしめたままできる

- 床スレスレのところで1秒キープする

- 息を吐きながら、2秒かけて、体をあげる
3:簡単な食事改善
続いて、簡単な食事の改善を行いましょう。次の通りになります。
- その1:飲み物から糖質を抜く
- その2:今食べた物と、別の食材を選ぶ
- その3:鍋物が最強
- その4:野菜から先に食べる
- その5:タンパク質を多く取ること
では、1つずつ確認です。
その1:飲み物から糖質を抜く
飲み物から糖質を抜くと、薄い味付けでも美味しいと感じる口に変わります。このためには、次の4つにすること。
- 水
- お茶
- ブラックコーヒー
- ストレートティー
自由にジュースが飲めなかった子供のころに戻ります。
その2:今食べた物と、別の食材を選ぶ
今食べた物と、別の食材を選びましょう。例えば、このように。
- 昼に「とんかつ」を食べた場合
「豚肉」「揚げ物」
- 夜は「野菜炒め」
「野菜」「炒め物」
- 朝は「納豆」
「豆類」「発酵食品」
- 昼に「サバの味噌煮」
「青魚」「煮物」
このように「調理方法」も変えると、味付けや食感も変化が出て、飽きません。
その3:鍋物が最強
鍋物が最強です。肉、魚、野菜、きのこ、こんにゃくや白滝など、何でも入れられるので、バランスが自然と取れる。しかも、温かいので、内臓を冷やしません。お腹が出ている人の多くは「冷たいもの」が大好き。なぜなら、体温を上げようと、脂肪を付けるから。
この点からも、鍋物が最強になります。
その4:野菜から先に食べる
野菜から先に食べましょう。これで食物繊維(しょくもつせんい)が口にできます。これは不足しがちな栄養素で、病気などを抑えられます。
食物繊維(Dietary Fiber,DF)は難消化性のために、栄養素中心の栄養学では注目されることはなかった。しかし、1970年代以降、DFには栄養素では達することのできない種類の生理機能、すなわち大腸癌、糖尿病、虚血性心疾患などの生活習慣病を予防する効果のあることが明らかにされ、健康を維持するうえで重要な役割を果たす”栄養素”として注目されるようになった。
一般的に食物繊維は、食物の咀嚼回数や消化液の分泌を増加させたり、便通や腸内環境を改善したりするが、不溶性と水溶性で異なる生理作用もある。不溶性食物繊維は保水性が良く、便量の増加や腸の蠕動運動の促進、脂肪や胆汁酸、発がん物質等の吸着・排出作用がある。水溶性食物繊維は、糖の消化吸収を緩慢にして血糖値の急な上昇を抑える糖尿病予防効果、胆汁酸の再吸収を抑えてコレステロールの産生を減らす脂質異常症の抑制効果が期待できる。また、水分を吸収してゲル化するため,胃腸粘膜の保護や空腹感の抑制作用がある。
また、野菜から先に食べると「インスリン」が抑えられます。
その結果、野菜を先に摂取した場合は米飯を先に摂取した場合と比較して、食後の血糖値およびインスリン値の上昇が20~30%抑制された
これは先ほどの「カテコールアミン」を邪魔するホルモン。
インスリンはカテコールアミンによる脂肪分解を抑制し、脂肪分解抑制作用をもつホルモンとして重要である。
つまり「痩せやすい食生活」となるのです。
その5:タンパク質を多く取ること
タンパク質を多く取りましょう。なぜなら、体を作る「栄養」だから。
- 水分 : 62.6%
- タンパク質:16.4%
- 脂質:15.3%
- ミネラル:5.7%
- 糖質:1%未満
さらに、食べるだけでエネルギーになる食事誘発性熱産生 / DIT(しょくじゆうはつせいねつさんせい)が高いです。具体的には、この通り。
- たんぱく質…食べた量の30%
- 炭水化物…食べた量の6%
- 脂質…食べた量の4%
厚生労働省のサイトで、この記載があります。
食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。この代謝の増加を食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)または特異動的作用(SDA: Specific Dynamic Action)といいます。
食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
だから、他の食材よりも、太りにくいのです。
まとめ
走っても痩せないのは不安ですよね。ただ、そこには原因があり、解決方法も存在する。そこさえ確認できれば、また体は変化します。そして、停滞期なら、ダイエット初心者卒業の合図。前向きにとらえましょう。楽しく運動と食事改善をすれば、体は絶対に応えてくれます。さあ、あとはあなた次第。早速始めるのです。
つまりケーキ1個分くらいですよ。