「ダイエットを始めたんだけど、体重が減らない」と悩んでいるあなた。その理由は、次の通りです。
- 運動だけを行っている
- グリコーゲンを使った後
- あなたの目標がおかしい
さらに、あなたの体型を変えるのは「食事」と「運動」だけ。耳障りのいい「飲むだけ」「最短」と言う言葉に騙されないこと。必要な「食事のルール」「筋トレ」「有酸素運動」を解説します。これで、もう完璧です。
体重が減らない3つの理由
体重が減らない理由は、次の通りです。
- 運動だけを行っている
- グリコーゲンを使った後
- あなたの目標がおかしい
では、1つずつ見ていきましょう。
1:運動だけを行っている
まずは運動だけを行っていること。つまり「それ以上食べている」のです。


では、実際に計算してみましょう。
カロリーを計算すると
実際に計算してみましょう。まず、式はこちらです。
カロリー=
- 運動の強さ(メッツ)×
- 運動時間(時間)×
- 体重(kg)×
- 1.05
さらに「1時間」ジョギングをした場合、運動の強さは「8.0」メッツ。つまり、体重「60kg」の人が走った場合…。
- 8.0(メッツ)×
- 1(時間)×
- 60(kg)×
- 1.05=
504(kcal)

ケーキ1個分ですね。


はい。ご褒美で食べたのは、走らないのと同じです。
2:グリコーゲンを使った後
続いて、グリコーゲンを使った後。これは、体内にある「エネルギーの1つ」。食事制限すると、一気に2~3キロ「スッと」減る原因がこれ。なぜなら、3倍もの水分を含んでいるから。こちらも、論文で証明されています。
最初は水分が抜けていきます。体の70%あるので、当然、変動もしやすい。例えば、今、話題の「糖質(とうしつ)制限」をすると、体内の栄養であるグリコーゲンが使われます。これを1g使うと、体から3gの水が抜けていきます。
~(中略)~
この状態で糖質制限を行うと、筋グリコーゲンや肝グリコーゲンが枯渇し、それに伴って当然結合水もなくなるわけです。
そうすることによって、約2キロ近く体重を減らすことができます。
このことが糖質制限初期における体重減少のメカニズムになります。逆に考えると糖質制限を継続していた方がご飯や甘いものなど糖質をとってしまった場合において、体重の増加の大部分がグリコーゲン+結合水の重さであり、すぐに体脂肪が増えたわけではないので、そのあたりは安心してください。
糖質制限中に旅行やイレギュラーな食事会などで糖質を取ったあと思いのほか体重が増加するのはこういう理由からです。
脂肪の分解の速度は、変わらない
脂肪の分解の速度は、変わりません。だから、続けることが大事です。
3:あなたの目標がおかしい
最後に「あなたの目標がおかしい」こと。「2ヶ月でマイナス10キロ」「2週間でウエスト8㎝ダウン!」という数字に、何も根拠はありません。期間が短く、計算もしていない。むしろ「失敗」は、当然です。
脂肪1キロは7,200kcalである
脂肪1キロは7,200kcalです。つまり、先ほどのスロージョギングなら「14時間」ほどかかる。


いえいえ。これは「全て脂肪が使われた場合」です。
食べ物や、筋肉も、分解してエネルギーを作ります。(ちなみに筋肉からエネルギーを作ることを糖新生:とうしんせいと言います)つまり、単純に考えても、倍以上かかる。


はい。1日1時間走って、ようやく1キロ減るのです。

食事と運動だけが、あなたを変える
食事と運動だけが、あなたを変えます。なぜなら、食べた物だけがあなたを作る材料で、運動だけが筋肉と骨を作るから。
どちらか一方ではダメ
つまり、どちらか一方ではダメです。その理由はこちら。
- 食事だけを制限する
糖新生が起きる
- 運動だけを行う
食べ過ぎを起こす
だから、両方行うのです。
体型が変われば、問題ない
さらに、体型が変われば問題ありません。例えば、同じ体重でも全く違います。サッカー選手のクリスチアーノ・ロナウドと芸人の兵頭大樹さんは、ともに84kgです。

体重は意味のない数字
つまり、体重は意味のない数字です。あなたは、友人、同僚、上司、道ですれ違った人の体重を正確には知らない。紙に書いて、背中に貼ってもいないし、Twitterでつぶやいてもいない。
ただ、体型は、思い出せます。写真に撮れば、全世界に「あなたの姿」が公表されてしまう。ここが大事な点です。
簡単に出来る食事のルール

そこで、簡単な食事のルールを、まずはご紹介しましょう。
- 1:野菜を先に食べる
- 2:飲み物から砂糖を抜く
- 3:今食べた物と別のものを
- 4:プラス5回噛む
- 5:お腹が空いたら、白湯を飲む
- 6:ご飯よりも、おかずを食べる
では、確認です。
1:野菜を先に食べる
まずは野菜を先に食べること。これで「野菜を食卓に並べる」意識ができ、多くの人が足りない食物繊維(しょくもつせんい)を取れます。
さらに、これは、がんや糖尿病を抑える、大きな力があるのです。
食物繊維(Dietary Fiber,DF)は難消化性のために、栄養素中心の栄養学では注目されることはなかった。しかし、1970年代以降、DFには栄養素では達することのできない種類の生理機能、すなわち大腸癌、糖尿病、虚血性心疾患などの生活習慣病を予防する効果のあることが明らかにされ、健康を維持するうえで重要な役割を果たす”栄養素”として注目されるようになった。
一般的に食物繊維は、食物の咀嚼回数や消化液の分泌を増加させたり、便通や腸内環境を改善したりするが、不溶性と水溶性で異なる生理作用もある。不溶性食物繊維は保水性が良く、便量の増加や腸の蠕動運動の促進、脂肪や胆汁酸、発がん物質等の吸着・排出作用がある。水溶性食物繊維は、糖の消化吸収を緩慢にして血糖値の急な上昇を抑える糖尿病予防効果、胆汁酸の再吸収を抑えてコレステロールの産生を減らす脂質異常症の抑制効果が期待できる。また、水分を吸収してゲル化するため,胃腸粘膜の保護や空腹感の抑制作用がある。
また、これで「インスリン」というホルモンが抑えられます。
その結果、野菜を先に摂取した場合は米飯を先に摂取した場合と比較して、食後の血糖値およびインスリン値の上昇が20~30%抑制された
これは、脂肪を分解するホルモン「カテコールアミン」を邪魔するのです。
【 インスリン 】
インスリンはカテコールアミンによる脂肪分解を抑制し、脂肪分解抑制作用をもつホルモンとして重要である。
【 カテコールアミン 】
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
つまり「痩せやすい食生活」になります。
2:飲み物から砂糖を抜く
飲み物から砂糖を抜きましょう。薄い味付けでも「美味しさ」を感じます。

この4つなら、大丈夫です。
- 水(炭酸水はOK)
- お茶
- ブラックコーヒー
- ストレートティー

カフェオレやジュースは、カロリーが高いですからね。
- サントリー ボス カフェオレ 350g
【 154kcal 】
- 7カフェ ホットカフェラテL
【 137kcal 】
- コカ・コーラ 500ml
【 225kcal 】
- オレンジジュース 500ml
【 210kcal 】
3:今食べた物と別のものを
今食べた物と別のものを選ぶと、バランスが良くなります。例えば、このように。
- 昼に「豚の生姜焼き」
「豚肉」「焼き物」
- 夜に「サバの味噌煮」
「青魚」「煮物」
- 朝に「納豆」
「豆類」「発酵食品」
- 昼に「野菜炒め」
「野菜」「炒め物」
調理方法を変えれば、味付け・食感も変わり、飽きませんよ。
4:プラス5回噛む
プラス5回噛むと、満腹感がより大きいです。噛む回数が多いと「たくさん食べた」と、勝手に感じますからね。
ただ、いきなり「一口30回」は難しい。だから「プラス5回」なのです。
さらに、噛むことは色々な効果もあります。
- ストレスを軽くする
- 脳への血行が良くなる
- 食物の消化をしやすくする
- 食べることの満足感や喜びが得られる
- 食物に混ざっている異物を発見できる
- 細菌の繁殖を抑制し、歯に付着した食べ物のかすなどが取り除く
- あごや口の組織の正常な発達に役立つ
- 脳内の血液量の増加、覚醒効果、リラックス効果がある
その証明が、こちらです。
ガムを噛むと、脳のセロトニン神経が活性化し、ストレスを緩和する効果があるそうです。
ヨガやウォーキングでも、同じ効果があるそうですがガムを噛むだけなら、仕事中や運転中などでもお手軽に出来るのでいいですね。
咬むと脳が直ちに活性化されることが最近になって分かってきました。機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いて咀嚼運動による脳への影響を調べた報告によると、咀嚼により直ちに脳の特定の領域の血流量が増加することが明らかとなりました。
- 食物の消化をしやすくする
- 食べることの満足感や喜びが得られる
- 食物に混ざっている異物を発見できる
- 口腔内の自浄作用(細菌の繁殖を抑制し、歯に付着した食べ物のかすなどが取り除く)
- 顎や口腔組織の正常な発達に役立つ
- 脳内の血液量の増加、覚醒効果、リラックス効果がある
すごいですよね。
5:お腹が空いたら、白湯を飲む
お腹が空いたら、白湯(さゆ:普通のお湯)を飲みましょう。これで、満足感が出ます。温かいものをお腹に入れると、体が安心しますからね。

朝ならブラックコーヒーもいいですね。
6:ご飯よりも、おかずを食べる
ご飯よりもおかずを食べましょう。なぜなら、人の体は「タンパク質」で出来ているから。
- 水分 : 62.6%
- タンパク質:16.4%
- 脂質:15.3%
- ミネラル:5.7%
- 糖質:1%未満
ご飯に多く含まれる糖質は1%もありません。しかも、安いから、多く取ってしまう。これが脂肪に変わるのです。
簡単に出来る4つの筋トレ
簡単に出来る筋トレもご紹介しましょう。


そこで、フォームの大事さを解説します。
フォームをしっかり行うと「筋肉にだけ」「大きな刺激」が行きます。これは「関節」などを守るので、ケガの防止もなる。
さらに、1回に時間をかけるスロートレーニングだと、同じものでも、大きな負荷になると証明されています。
しかしスロートレーニングでは、トレーニングの動作の仕方を工夫することで、もっと軽い負荷でも効果的に筋力を増強させることが可能となります。50%1RM(1回できる最大の重さの50%)の負荷で行ったスロートレーニングでは80%1RM(1回できる最大の重さの80%)の負荷を用いて通常の速度で行ったトレーニングと同等の筋肥大・筋力増強効果があったという報告があります。
このように負荷重量が比較的小さくても大きな効果が得られるスロートレーニングには下記のようなメリットがあります。
- 自体重を用いた手軽に行えるトレーニングでも大きな効果が期待できる
- 腱や関節への負担が小さく整形外科的な傷害のリスクが小さい
特に怪我のリスクの大きいと考えられる中高齢者向けの効果的なレジスタンス運動として期待されています。

これらを使って、フォームをイラストで確認します。
- 1:壁に手をついた腕立て伏せ
- 2:いすを使ったスクワット
- 3:壁に足を付けた腹筋
- 4:ロングブレス・ドローイン

では、イラストを使って、動きを確認します。
1:壁に手をついた腕立て伏せ

- 手は胸の下
- 肩幅の広さくらいで
- 少し壁にもたれかかるくらいで
- 体は一直線に
- このまま1秒キープする

- 息を吸いながら、体を下す
- 2秒かけて、体は一直線のまま
- 肩を背中に引き寄せる感覚で、脇はしめたまま

- おでこと壁がつくくらいで1秒キープ

- 息を吐きながら、体を上げる
- 2秒かけて「A」に戻る

「1回6秒」は、かなりきついですよ。
2:いすを使ったスクワット

- 胸の前で、腕を組む
- 浅く腰をかける
- 足を前後にする
(左右、どちらとも同じ回数を行う)

- お尻を上げる
- 少し前に行くように
- 2秒かけて動く

- しっかり立って、1秒キープする

- お尻を後ろに落とすように、下げる
- 2秒かけて「A」に戻る
- 息を吸いながら行う
3:壁に足を付けた腹筋
壁に足を付けると、下半身が安定して行えます。

- 壁にピッタリと足を付ける
- 両手は頭の上

- お腹を見るように行う
- 背中は床に付けたまま
- 動くとき、戻すときは2秒を意識する
4:ロングブレス・ドローイン
ロングブレス・ドローインとは、お腹の中にある筋肉(インナーマッスル)である腹横筋(ふくおうきん)を鍛えます。

では、やり方を確認しましょう。
ロングブレスのやり方

- 3秒かけて、鼻から吸う
- 両手はまっすぐ上に伸ばす
- 体は少し後ろに倒し気味で

- 7秒かけて、口から息を吐き切る
- 必ず「7秒」使う
- 腕を全力で閉じる
ドローインのやり方

- 鼻から息を吸いながら、お腹を凹ませる
- 時間は3秒ほど

- 口から息を吐きながら、さらにお腹を凹ませる
- 時間は5~7秒ほど

私は毎朝、20回ずつやっていますよ。
簡単に出来る2つの有酸素運動
簡単に出来る有酸素運動も、2つご紹介しましょう。
- 1:ウォーキング
- 2:スロージョギング
ちなみに、私は走るのが大の苦手で、しかも遅い。ただ、これで10年以上続けられています。
1:ウォーキング
ウォーキングは、腕をきちんと振って歩く運動です。コツをご紹介しましょう。
- ①:ひじを引くように、腕を振る
大きく腕が使えて、運動量も増えます。歩きやすいですよ。
- ②:着地は「足のつま先~中心」で
かかとでは、衝撃が強く、痛める可能性が出てきます。
- ③:靴・靴下もしっかり準備を
靴はウォーキング用、靴下はスポーツ用の厚手の生地がいいですね。薄いものだと穴が空きます(体験談)。
- ④:カバンはリュックにすること
両腕をしっかり使え、重さもバランスよくかけられ、よりいいですよ。
- ⑤:時間は20分以上90分以下にすること
時間はこの範囲内にしましょう。長すぎると、少しのエネルギーで多く動け、やせにくくなります。
2:スロージョギング
スロージョギングとは、会話ができるような速さで走ることです。これなら、簡単ですよね。コツをご紹介しましょう。
- ①:速く走る必要はない
これで、変なプレッシャーはかかりません。ゆっくりで問題ないです。
- ②:呼吸は「鼻から2回吸って、口から2回吐く」
これで、楽になります。「スッ、スッ、ハッ、ハッ」とリズムもついて、走りやすいですよ。
- ③:目線は、少し前に置く
下ばかり見ると、肺が大きく使えません。景色を楽しむのも含めて、前を向きましょう。
- ④:ウォーキングのコツも使って
そのほかは、ウォーキングのコツを使いましょう。腕の振り方、カバンや靴など。これで、走り出せますよ。

さあ、もう大丈夫です。
まとめ
あなたが「体型の大事さ」に気づけたのは、かなり大きいです。体重ばかり気にすると、停滞期でストレスを感じて、やめてしまったり、極端な食事制限で筋肉が落ちて、太りやすい体になったりと、悪い状況になることも十分にあった。
体型、食事、運動をしっかり見直すこと。それだけで、あなたは変われます。さあ、早速始めましょう。