「絶食しているんだけど、体重が減らない…」と、ボヤ~っと思っていました。その理由は次の通りです。
- 1:カロリーを使わないモードになっている
- 2:長い期間続かない
そして「1日1食」でも「1日5食」でもダイエットできる事実をご紹介。つまり「回数」に、こだわる必要がありません。
最後に「栄養バランス」。これが大事な点も解説しましょう。さあ、本物のダイエットを手にしてください。
減らない2つの理由
絶食しても、体重が減らない理由は、次の2つです。
- 1:カロリーを使わないモードになっている
- 2:長い期間続かない
では、確認をしましょう。
1:カロリーを使わないモードになっている
まずは、カロリーを使わないモードになっている点。食べ物がないため、スマホなどにある「エコモード」に、体がなっているのです。
体は危険だと感じている
これは「体が危険」だと感じている証拠です。食べ物が入らないのは、飢餓(きが)と同じ状態。生命の維持には、当然の反応になります。
2:長い期間続かない
続いて、長い期間続かない点。ダイエットは「ゆっくり体重を減らす」と成功します。目安は「1ヶ月2キロ」のペース。ただ、絶食は2日続けば、すごいです。

1ヶ月に2キロペースが最高
長い期間をかけて行うダイエットは成功しやすいです。なぜなら、体が「太っている元の姿に戻そう」としないから。これが「ホメオスタシス」と言う力です。
恒常性は生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもある。生体恒常性とも言われる。
ホメオスタシスとは恒常性の維持機能 即ち、自律神経系、内分泌系、免疫系が互いに調節し合い(相関)正常な心身状態を保とうとする働きをいう。つまり身体や周囲の環境が、少し正常な状態から外れた状況の場合に身体が勝手に判断して正常な状態(健康)にもどす反応が現れる現象のことである。
急激な体重の変化は、これが働く。だから「ゆっくり」が理想なのです。
さらに怖い2つのもの
さらに怖い2つのものをご紹介しましょう。
- 筋肉を分解している
- 摂食障害、拒食症などが起きる可能性がある
筋肉を分解している
絶食すると、筋肉を分解します。これで、体重は「簡単に減らす」ことができる。


はい。筋肉はすぐに落ちますよ。こちらをご覧ください。
つまり、体型は変わらず、筋肉が落ちてしまう。そして、こうなると、少ないエネルギーで問題ない体になります。これは「痩せにくい体」。つまり、食事をもとに戻すと、リバウンドするのです。
摂食障害、拒食症が起きる可能性もある
絶食をして「食事を我慢すること」「体重が減ること」が快感になると、「摂食障害(せっしょくしょうがい)」や、食事が取れない「拒食症(きょしょくしょう)」になります。
摂食障害とは、極端な食事制限や、過度な量の食事の摂取などを伴い、それによって健康に様々な問題が引き起こされる依存症の一種です。
~(中略)~
摂食障害は若い女性を中心に増加している病気です。この病気になると、からだとこころに様々な問題が生じて、毎日の生活に支障がみられるようになります。この病気は治る病気です。
体重減少は「太る食物」を避けることでなされる。また、自分で誘発した嘔吐、下剤の使用、過度の運動、食欲減退剤あるいは利尿剤の使用が1つ以上ある。
太ることへの恐怖心がある。その場合、どんなに痩せていても、「自分は太っているに違いない」といった強迫的な考えがある。
【拒食症の症状】
- 食行動の異常(拒食→過食→嘔吐→拒食)
- やせ願望、肥満恐怖
- 実際はやせているのが、やせているとは思わない
- 病気とは思わない
- やせているが体重が増えないように運動をする
- 自分に自信がない、もしくは過度に自信がある
- 無気力、抑うつ状態になる
- 周囲から孤立している
- 無月経、低体温、貧血、脱毛、うぶ毛が濃くなる、寒がり、皮膚の乾燥、むくみ、骨粗鬆症、味覚障害、聴覚過敏、けいれん
あなたは「綺麗な姿になって、友人とランチをしたい」「かっこよくなって、素敵な女性と美味しいコース料理を食べたい」と言う願いがあったはず。それすらできない「心」と「体」になってしまうのです。
1日1食でも、1日5食でもダイエットは成功する
「1日1食」でも「1日5食」でも、ダイエットは成功します。


はい。しかも両方とも「医師」が実践しています。こちらが、その対談です。
なぐも・よしのり/’55年生まれ。乳房専門のナグモクリニック総院長。コメンテータとしてTVにも出演。著書に『50歳を超えても30代に見える生き方』など
はやしだ・やすたか/’72年生まれ。医学博士・眼科専門医。抗加齢医療を行うRサイエンスクリニック広尾副院長。自身も食事療法などに精通・実践している
【南雲】:これまで著書などでも公言してきましたが、私は食事を一日1回しか摂りません。朝と昼を抜いて夜に食べています。その代わり、夜は自分の食べたいものを好きなだけ食べるようにしている。
【南雲】:最初は一日3食でした。ただ、前の晩に暴飲暴食をすると朝は胃がもたれている。昼を食べると午後は眠くて仕事がおろそかになる。そのため徐々に食事回数を減らしていくうちに、一日1食に落ち着いたのです。この食事法を始めてから体重はみるみる減少、肌や血管年齢も若返り、59歳になった今でも、身体はすこぶる好調です。
~(中略)~
【林田】:一日5食といっても、もちろん毎食満腹になるまで食べるのではありません。空腹感を感じない程度に多食するということです。肝心なのは、一日の総カロリー。これを把握して、一日の合計がそれを超えないように加減しながら食べていくというスタイルが重要なんです。私はこの食事法で、70㎏近くあった体重が58㎏になり、体調もずいぶんと改善されました。

つまり「食事の回数」は、あくまで「目安」と考えるべきです。
あなたの特徴で、回数を変える
そして、どちらがいいかは、あなたの特徴で決めるのです。
- お腹を壊しやすい
- 疲れがたまりやすい
- 手足が細く、お腹だけポッコリ出る
- 何を食べても平気
- 疲れをあまり感じない
- 全体的に太っている
胃腸が「弱い」「強い」に分けられます。
カロリーをしっかりと計算する
大事な点は「両方とも、カロリーをしっかりと計算していること」。だから「回数」に関係なく、ダイエットできるのです。
間食も考えられている
さらに、1日1食の間食も考えられています。具体的には、次のものです。
- 素焼きのナッツ
- ギリシャヨーグルト(無糖)
- チーズ
- 食べる小魚
- プロテイン
糖質を抜いた物であれば、血糖値上下がないので、「空腹」が出にくいです。
ただ、食べ過ぎに注意
ただ、食べ過ぎると、当然、太ります。カロリーがありますからね。実際に栄養成分も含めて、見ていきましょう。
【アーモンド・焙り(100g中)】
- エネルギー「608kcal」
- たんぱく質「20.3g」
- 脂質「54.1g」
- 糖質「10.3g」
【ヨーグルトの栄養成分(100g中)】
- エネルギー「62kcal」
- たんぱく質「3.6g」
- 脂質「3.0g」
- 糖質「4.6g」
【6Pチーズの栄養成分】
- エネルギー「325kcal」
- たんぱく質「20.8g」
- 脂質「26.3g」
- 炭水化物「1.2g」
【食べる小魚 100g】
- エネルギー「332 kcal」
- たんぱく質「64.5 g」
- 脂質「6.2 g」
- 炭水化物「0.3 g」

情報は力になりますね。
バランスの取れた食事が最強
そして、栄養バランスの取れた食事こそ最強です。なぜなら「空腹」は「栄養が足りないサイン」だから。コース料理や、和食など小皿に入った料理を食べると、それほど食べていないのに満足しますよね。それも「必要な栄養が入ってきたから」になります。
お菓子を食べても、空腹は消えない
お菓子を食べても、空腹は消えません。なぜなら、栄養が入ってこないから。同じ理由で、ポテトチップスを食べても、食事が取れるのです。
食べないと、老化する
食べないと、老化が進みます。なぜなら、材料が入らないから。人は生きる上で、全てを作り変えながら生きています。肌も、髪も、骨も、爪も、筋肉も。
この材料がないと、肌はボロボロ、髪はパサパサ、爪もガサガサで、腕や足も細くなってしまう。「食べることは生きること」。この考えが大事です。
体重はただの数字
体重はただの数字です。なぜなら、誰も知らないから。あなたの体重を「紙に書いて、背中に貼って」いませんよね。さらに、Twitterでつぶやいていないし、Facebookに載せてもいない。
そして、あなたもほかの人の体重を知りません。今、目の前にいる人。駅のホームですれ違った人。同僚や友人、さらに家族に至るまで、正確な数字は知らない。
だから、気にしなくてもいいです。
体型こそが大事
大事なのは「体型」です。これこそ、他の人から見た「あなた」だから。細く引き締まれば、200kgでも、300kgでもいいですよね。見るべきは「鏡」。体型ではないのです。
筋肉を付けるには「太る」必要がある
細く引き締まった体型に必要な「筋肉」を付けるには「太る」必要があります。太るは「脂肪でも、筋肉でも何かがつく」こと。「痩せる」はその反対です。
そして、あなたの理想の姿に、筋肉がある。だから、太る必要があるのです。
タンパク質を多めに食事を組み立てる

と言うあなたは、タンパク質を多めに取りましょう。その理由は3つあります。
- 糖質制限になり、ダイエット効果がある
- 体を作る成分に多い
- 太りにくい成分である
では、1つずつ見ていきます。
- ①:糖質制限になり、ダイエット効果がある
まず、糖質制限になり、ダイエット効果がある点。肉や魚をたくさん食べて、ご飯などの主食を抑えるだけで、体重が減っていくのです。実際にその効果は、論文で証明されています。
KD(ケトジェニックダイエット:糖質制限ダイエットと同じ意味)が生体に与える影響の分子基盤を,実験動物などを用いて生化学,分子生物学的に検討している報告は意外と少ない.また,KD(ケトジェニックダイエット:糖質制限ダイエットと同じ意味)にダイエット効果があることはケトン体生合成メカニズム で明白であるが,
体重減少の特徴は、Blackburn の体重減少の評価法の高度体重減少と中等度体重減少の境界線付近に集中している様子が観察された。また、13研究(論文A, C, D, E, F, G, H, I, J, L, N, O, P)、すなわち(低糖質ダイエット)全体の68.4%において、検討期間である6カ月間に、一度以上の高度体重減少が見られた。一度も高体重減少が見られなかった研究は6研究と少数であった。その結果、検討対象の約70%の論文で、短期間での高度体重減少が観察された。

やはり情報は力ですね。
- ②:体を作る成分に多い
タンパク質は、体を作る成分です。こちらを見てください。
- 水分 : 62.6%
- タンパク質:16.4%
- 脂質:15.3%
- ミネラル:5.7%
- 糖質:1%未満
だから、多く取ると、それだけ「体を作る材料」が入っていくのです。
- ③:太りにくい成分である
さらに、太りにくい成分でもあります。食事誘導性熱産生(しょくじゆうどうせいねつさんせい)と呼ばれる「食べている間に、それ自体使う量」が、ほかの食品と比べて大きい。これは、厚生労働省のサイトで、記載があります。
食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること。
食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。この代謝の増加を食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)または特異動的作用(SDA: Specific Dynamic Action)といいます。
食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
- タンパク質…30%
- 糖質…6%
- 脂質…4%
これで、食べる「怖さ」が少しでも減ったはずです。
まとめ
絶食は続かないので、今すぐ止めましょう。必ず成功するダイエットは「続くもの」。私も28年間、ずっとダイエットし続けている。だから、176㎝、65kgの体型を28年間も維持できている。さあ、本物の道を歩むのです。
いくら何でも、2日ではやせません。