「横っ腹の脂肪って、なかなか取れないんだよな」と思っているあなた。「これだけ」を無くすのは難しい。それでも、横っ腹を鍛えたいあなたに、9つのトレーニングを解説します。さらに必要な「ダイエット」。ポイントを4つご紹介しましょう。さあ、このまま、読み進めてください。
横っ腹の脂肪が無くならない理由は、部分痩せができないから
脂肪は、全体で少しずつ無くなります。「横っ腹の脂肪だけを優先的に使え」と命令できないのです。
部分痩せの多くが「水分」である


あれは水分ですよ。
ダイエットで最初大きく減るのも、ウエストが細くなるのも、全て水分です。なぜなら、体の70%が水分で、簡単に無くなるから。脂肪1キロ減るのに必要な運動を見れば、よくわかります。
脂肪1キロの運動量
脂肪1キロは7,200kcal。これを運動で使うなら「ジョギング110㎞」「ウォーキング170㎞」になります。つまり「1日、2日では絶対に減らない量」。

だから、その脂肪は、ずっとあるのです。
それでも横っ腹を鍛えたいあなたに贈る、9つの運動
それでも「横っ腹を鍛えたい」を思うあなたへ、次の運動を送りましょう。
- 横になって、腰を上げる
- 仰向けになって、ひじと同じ側のひざをつける
- 仰向けになって、ひじと逆のひざをつける
- 上半身だけを回転させる
- バーベルのプレートをもって、ねじる
- バーベルのプレートをもって、ねじりながら上げる
- チューブをもって、ねじりながら引っ張る
- 踏んだチューブを、ねじりながら上げる
- 腹筋ローラーで、斜めに進む
これで、満足するはず。私が作ったイラストで、動き・ポイントを解説します。
1:横になって、腰を上げる
【絵で動きを確認】

- 前腕と足で体を支える
- 腰は落としたまま
- 腰は床につけない

- 腰を上げる
- 体は一直線に
- 腕の力は使わない
2:仰向けになって、ひじと同じ側のひざをつける
【絵で動きを確認】

- 仰向けになる
- 手は頭につける
- 負荷を上げるなら、足は伸ばし、床につけない
(ひざを曲げる、足を床につける、でもOK)

- 同じひじとひざをつける
- 腰、お腹を曲げる

- Aに戻る

- 同じひじとひざをつける
- 腰、お腹を曲げる
3:仰向けになって、ひじと逆のひざをつける
【絵で動きを確認】

- 仰向けになる
- 手は頭につける
- 右ひじと左ひざをつける
(ひざを曲げる、足を床につける、でもOK)
- ひじとひざを離す
- お腹をねじるように動かす
- 左ひじと右ひざをつける
- お腹をねじり、動かす
- ひじとひざを離す
- 「A」に戻す
4:上半身だけを回転させる
【絵で動きを確認】

- 下半身は正面にし、足を広げて安定させる
- 上半身だけをひねる
- 腕は胸の前で揃える

- 上半身だけひねる
5:バーベルのプレートをもって、ねじる
【絵で動きを確認】

- プレートをもって、体をねじる
- 腕だけで、後ろにもっていかない

- 体を逆にひねって、プレートを動かす
- 腕の力は使わない
6:バーベルのプレートをもって、ねじりながら上げる
【絵で動きを確認】

- ベンチに座って、安定させる
- プレートをもって、体をねじりながら下にする

- ねじりながら体を上げる
- 腕の力で上げない
7:チューブをもって、ねじりながら引っ張る
【絵で動きを確認】

- チューブを後ろで結び、持つ
- 体をねじる
- 腕は曲げる

- ねじりながら、前に引っ張る
- 腕の力は使わない
8:踏んだチューブを、ねじりながら上げる
【絵で動きを確認】

- チューブを踏んで、安定させる
- しっかり持つ

- ねじりながら上げる
- 腕の力は使わない
9:腹筋ローラーで、斜めに進む
【絵で動きを確認】


斜めに動くと、横っ腹に効きます。
ダイエット4つのポイント
ただ、本当に必要なのはダイエット。そのポイントを4つご紹介しましょう。
- 脂肪を分解するホルモンを出す運動を使う
- 20分以上行う
- カロリーは基礎代謝(きそたいしゃ)以上
- 糖質は2つの基準で、制限する
これで、脂肪を無くせます。
1:脂肪を分解するホルモンを出す運動を使う
脂肪を分解するホルモンは「カテコールアミン」です。これは、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンをまとめて言ったもの(総称:そうしょう)になります。
〇:カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
そして「有酸素運動」と「全力を出す運動」の2つで出ます。
〇:有酸素運動
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.
〇:全力運動
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さの)約2倍もの濃度差が認められた

これを取り入れることが大事です。
2:20分以上行う
分解した脂肪も、使わないと、また元に戻ります。だから20分以上行いましょう。これで、エネルギーとして消費されます。
有酸素運動は90分以下に
有酸素運動は90分以下にすること。これ以上だと、少ないエネルギーで、多くの運動が出来る体になる。つまり「痩せにくい」のと同じです。

長すぎるのも、よくありません。
有酸素運動は細切れでも大丈夫
時間が取れない場合、細切れでも大丈夫。これは論文で証明されていることです。
すなわち,休息時間を挟みながら間欠的に有酸素運動を行っても,運動強度と運動時間の合計が同一であれば連続的に運動した場合と同等のV4 O2(運動の強さ) およびEE(エネルギー消費量)が得られ,運動終了後はより多大なEPOC(運動したあと、カロリーを沢山使う状態)の得られることが明らかになった.

通勤・通学など「行き」「帰り」に分けても、大丈夫ですよ。
全力を出す運動は、4つくほど行う
全力を出すのを20分以上続きません。しかし「4つほどのメニュー」なら可能です。私もこのようにしています。
- 腕立て伏せ
- 腹筋
- 腹筋ローラー
- スクワット
- ブリッジ
1セット=10回で、限界を迎えるもの
3セットで、あいだに45秒の休憩をはさむ

順番を決めないことがポイント。これで、同じ筋トレでも、新しい刺激を筋肉に与えられて、より大きな成長が出来ます。
3:カロリーは基礎代謝(きそたいしゃ)以上
カロリーを抑える時の大事な式はこちら。
- 使ったカロリー>
- 食べたカロリー>
- 基礎代謝
この基礎代謝とは、1日に必要な最低限のカロリー。これ以下になると、脂肪ではなく、筋肉を分解します。なぜなら、基礎代謝以下は「危険であり」エネルギーの貯金である「大事な脂肪」より「必要ない筋肉」を分解するから。これを「糖新生(とうしんせい)」と言います。

ちなみに、基礎代謝の計算式はこちら。
ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を使って基礎代謝量を計算しています。
男性
- 13.397×【体重(kg)】
- +4.799×【身長(cm)】
- -5.677×【(年齢)】
- +88.362
女性
- 9.247×【体重(kg)】
- +3.098×【身長(cm)】
- -4.33×【(年齢)】
- +447.593

絶食すると、筋肉が少なくなり、結局リバウンドする理由がこれです。
4:糖質は2つの基準で、制限する
糖質とは、ご飯やパンなどの主食、お菓子やジュース、さらにかぼちゃ、じゃがいもなどの根菜(こんさい:土の中でなる野菜)に多く含まれる栄養です。そして、次の2つの基準で、すぐに制限出来ます。
- まずは「今の半分」
- 次に「1日120~150g」
では、1つずつ見ていきましょう。
まずは「今の半分」
スタートは「今の半分」にしましょう。自然と、糖質を取り過ぎています。お店に行けば、砂糖がたっぷり入ったジュースやチョコ、スナック菓子が並んでいますよね。これを意識せず、口にしている。
ただ、細かい制限が面倒なのも事実です。「この食品なら○○g」「これは▼▼g」と調べるだけで、止めたくなる。だから「とりあえず半分」にするのです。
糖質制限自体、ダイエット効果があることは、論文で証明されています。
KDが生体に与える影響の分子基盤を,実験動物などを用いて生化学,分子生物学的に検討している報告は意外と少ない.また,KD(ケトジェニックダイエット:糖質制限ダイエットと同じ意味)にダイエット効果があることはケトン体生合成メカニズム で明白であるが,
体重減少の特徴は、Blackburn の体重減少の評価法の高度体重減少と中等度体重減少の境界線付近に集中している様子が観察された。また、13研究(論文A, C, D, E, F, G, H, I, J, L, N, O, P)、すなわち(低糖質ダイエット)全体の68.4%において、検討期間である6カ月間に、一度以上の高度体重減少が見られた。一度も高体重減少が見られなかった研究は6研究と少数であった。その結果、検討対象の約70%の論文で、短期間での高度体重減少が観察された。
次に「1日120~150g」
そして、慣れてきたら「1日120~150g」にしましょう。この量も論文にあります。
一方、世界的に糖質制限食の研究結果の報告が蓄積され、1 日の糖質摂取量を120gあるいは150g以下にするような食事法が血糖、体重、血圧、脂質といったメタボリックシンドロームの構成要素のすべてに有効であることが示されている。
この「2段階」なら、体調も維持したまま、制限できますよ。
まとめ
横っ腹の脂肪はしつこい。でも、それを作ったのは、あなた。だから、食事も運動も、長い時間必要です。しつこく、体を動かし、食事を改善しましょう。それこそが、理想の体型につながる道ですよ。