「スロースクワットで中性脂肪って、減るのかな?」と悩んでいるあなた。
ちなみに、中性脂肪とは、血液中の脂肪のこと。そして、確かに減りますね。そのあたりを見ていきましょう。
また、スロースクワットの「メリット」「デメリット」もお話しします。さらにダイエットに「必要なもの」「効果」の解説も行います。
「176㎝、65kgの体型を27年間維持している42歳」からの言葉。ぜひ、耳を傾けてください。
スロースクワットで全力を出せば、中性脂肪は減らせる
スロースクワットで中性脂肪を減らす方法は、脂肪を分解するホルモンを出す「全力運動」にすることです。このホルモンは「カテコールアミン」と呼ばれ、論文で証明されています。
〇カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
〇 全力運動
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さの)約2倍もの濃度差が認められた

筋肉のつけ方

回数によって、つく筋肉に違いがあります。理想の体型に必要な方を、選んでください。
- 8~12回で限界…大きく強い筋肉
- 20回以上…細く引き締まった筋肉
中性脂肪とは
先ほどもお話しした通り、中性脂肪とは、血液中にある脂肪。当然エネルギーになります。食事だけでは足りない時に、使われますね。
ただ、多くなると「お腹周りにたまる皮下脂肪(ひかしぼう)」「内臓につく内臓脂肪(ないぞうしぼう)」になるのです。
スロースクワットのやり方
それでは、実際にやり方を確認していきます。
時間・呼吸の使い方を、4コマで見ていく

- 最初は2秒キープ
- 両足にバランスよく、体重をかける
- 手は胸の前で組む

- 4秒かけて、体を下ろす
- 息は吸いながら、行う

- 太ももの裏と、ふくらはぎがつくほど
- ここで2秒キープする

- 息を吐きながら、4秒かけて、体を上げる
- ゆっくりと「A」に戻す
お尻の落とし方・上げ方
お尻は、後ろに落とすようにしましょう。真下だと「太ももの表側」に刺激がいき、足が太くなります。


スロースクワット 2つのメリット
それでは、スロースクワットのメリットを2つ、ご紹介しましょう。
- 大きな筋肉を使う
- 負荷が大きい
1つずつ確認します。
1:大きな筋肉を使う
まず、足、お尻などの大きな筋肉を使うので、使うカロリーが多くなります。筋肉は車のエンジンと同じ。大きいエンジンを積んでいると、ガソリンもたくさん使います。トラックなどをイメージすると、よくわかりますよね。だから、効率がいいのです。

実際に、筋肉の大きさを比べてみましょう。
- 太ももの裏側
【876㎤】
- お尻(大殿筋:だいでんきん)
【864㎤】
- 背中(広背筋:こうはいきん)
【550㎤】
- 腹筋
【310㎤】

車なら「燃費・効率」は悪いんですけどね。
2:負荷が大きい
スローにすると、負荷が大きくなります。厚生労働省のサイトにも「軽い負荷で、全力を出すのと同じ効果がある」と記載があります。
しかしスロートレーニングでは、トレーニングの動作の仕方を工夫することで、もっと軽い負荷でも効果的に筋力を増強させることが可能となります。50%1RM(1回できる最大の重さの50%)の負荷で行ったスロートレーニングでは80%1RM(1回できる最大の重さの80%)の負荷を用いて通常の速度で行ったトレーニングと同等の筋肥大・筋力増強効果があったという報告があります。
このように負荷重量が比較的小さくても大きな効果が得られるスロートレーニングには下記のようなメリットがあります。
- 自体重を用いた手軽に行えるトレーニングでも大きな効果が期待できる
- 腱や関節への負担が小さく整形外科的な傷害のリスクが小さい
特に怪我のリスクの大きいと考えられる中高齢者向けの効果的なレジスタンス運動として期待されています。
これで、カテコールアミンも発生しやすいですよ。
スロースクワット 2つのデメリット
そして、コインの表裏と同じように、デメリットもあります。それが次の2つ。
- 回数が防げない
- 時間が短く、使うカロリーが少ない
それでは、確認していきます。
1:回数が防げない
まず、回数が多くできません。負荷が大きく、辛いので、体が上がらなくなります。
息切れの力
ただ、回数が少なくても、息切れするほど追い込めるのは、いい点ですね。なぜなら、カロリーを多く使う体になるから。息が切れるのは、酸素が足りない証拠。そのため、借りてくる必要があります。それが体の中。ただ、借りたので当然返さなければならない。だから、運動後に、酸素を多く取りこむわけです。
この取り込んだ酸素は、エネルギーの消費にも使われます。これで「カロリーを多く使う体」になるわけですね。ちなみに、論文でも証明されています。
運動後の酸素消費量が安静値へ回復しても肺胞でのや酸素消費量は有意に上昇した状態が続いていた.このことは,運動後に長時間に渡って観察される全身レベルでの酸素消費量の増大は、活動筋以外の組織でのエネルギ消費の亢進,例えば換気や心筋活動の増大,肝臓での糖新生などに起因している可能性を示唆している.
さらに、全力を出せば、それだけこの時間は長くなります。
55%強度では2時間程度,70%強度の運動では少なくとも4時間は有意なEPOCが観察された
(補足)このEPOCが、息が切れて、酸素をたくさん取り込む量のことです。

こういった力も利用しましょう。
2:時間が短く、使うカロリーが少ない
辛い運動なので、時間が短いです。これも使うカロリーと関係がある。計算式を見れば分かります。
運動のカロリー=
- 運動の強さ(メッツ)×
- 運動時間(時間)×
- ×体重(kg)×
- 1.05

ジョギングなどの有酸素運動は、この時間が長いですよね。
ダイエットに必要なもの
そこで、ダイエットに必要なものを、3つご紹介しましょう。
- カロリー制限は「たった1つの式」で成功する
- 糖質制限のスタートは「今の半分」
- 20分以上で、分解した脂肪を使う
これで、目指すべき道が分かります。
1:カロリー制限は「たった1つの式」で成功する
カロリー制限は「たった1つの式」で成功します。
基礎代謝とは、1日に必要な最低限のカロリーになります。これ以下になると、危険なため、脂肪ではなく、筋肉を先に分解して、エネルギーにするのです。脂肪は大事なエネルギーの貯金。必要無い余分な筋肉を先に使うのですね。
こうなると、筋肉が無くなり、ダイエットしにくく、脂肪をためやすい体になります。

ぜひとも、避けたいですよね。
基礎代謝の計算方法
基礎代謝の計算は「身長」「体重」「年齢」が必要です。こちらをご覧ください。
ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を使って基礎代謝量を計算しています。
男性
- 13.397×【体重(kg)】
- +4.799×【身長(cm)】
- -5.677×【(年齢)】
- +88.362
女性
- 9.247×【体重(kg)】
- +3.098×【身長(cm)】
- -4.33×【(年齢)】
- +447.593

性別でも違いがありますね。
2:糖質制限のスタートは「今の半分」
糖質制限のスタートは「今の半分」でいいです。まずはここから始めましょう。


それは「最初から制限しすぎると、辛くなる」からです。
最初から制限しすぎると、辛くなる
糖質も、体に必要で大事な栄養。このため、最初から極端に制限すると、具合が悪くなることもある。これは私の体験談です。
だから「まずは半分から」始めること。そこから、徐々に「120~150g」にしましょう。なぜなら、この量なら、ダイエット効果があると論文で証明されているから。
一方、世界的に糖質制限食の研究結果の報告が蓄積され、1 日の糖質摂取量を120gあるいは150g以下にするような食事法が血糖、体重、血圧、脂質といったメタボリックシンドロームの構成要素のすべてに有効であることが示されている。
糖質制限自体のダイエット効果も、こちらにあります。
KDが生体に与える影響の分子基盤を,実験動物などを用いて生化学,分子生物学的に検討している報告は意外と少ない.また,KD(ケトジェニックダイエット:糖質制限ダイエットと同じ意味)にダイエット効果があることはケトン体生合成メカニズム で明白であるが,
体重減少の特徴は、Blackburn の体重減少の評価法の高度体重減少と中等度体重減少の境界線付近に集中している様子が観察された。また、13研究(論文A, C, D, E, F, G, H, I, J, L, N, O, P)、すなわち(低糖質ダイエット)全体の68.4%において、検討期間である6カ月間に、一度以上の高度体重減少が見られた。一度も高体重減少が見られなかった研究は6研究と少数であった。その結果、検討対象の約70%の論文で、短期間での高度体重減少が観察された。

焦らず、少しずつ減らせば、体も慣れますよ。
3:20分以上で、分解した脂肪を使う
運動時間は、20分以上にしましょう。脂肪を分解しても、それを使わないと、またに戻ります。だから、時間も大事なわけですね。
有酸素運動も、カテコールアミンを出す
有酸素運動も、カテコールアミンを出します。これも論文で証明されていること。
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.

痩せたい人が、まずジョギングするのは「正解」なわけですね。
ダイエットの2つの効果
そして、ダイエットで得られる効果をご紹介しましょう。次の2つです。
- アンチエイジング
- 健康
それでは、確認しましょう。
1:アンチエイジング
ダイエットには、アンチエイジングの効果があります。まずは、運動。例えば、肌の老化を予防する力が、論文で証明されています。
皮膚の老化を避けるためには光老化対策、酸化ストレス対策、糖化ストレス対策が重要である。
一次予防としては骨格筋肉量の維持、適度な運動、適正な食習慣が奨励される。これは血糖の急激な上昇を避け、インスリン抵抗性を増加させないためである。グルコースの70%は骨格筋で消費され、骨格筋量の減少がインスリン抵抗性増加を助長するので筋肉負荷運動は重要である。
さらに、日本抗加齢学会(にほんこうかれいがっかい)のサイトにて、運動の力について、記載があります。
アンチエイジング医学は“加齢”に焦点をあてた究極の予防医学といえる。 予防医学を考えるときに最も中心的な医学となる可能性を秘めた医学なのである。
現在厚生労働省は、メタボリックシンドローム撲滅のためにあげている、適度な運動、適切な食事、禁煙、サプリメントなどはまさにアンチエイジング医学の流れにそったものであり、単に疾患予防というレベルを超えて、さらに健康レベルをあげていくことがアンチエイジング医学的アプローチといえる。
所見から抗加齢(アンチエイジング)的な医学的戦略に結びつけます
(例)
骨年齢が高ければ、 適量の骨に刺激を与える運動や有酸素運動をすすめます。
体脂肪が多く、筋肉量、筋力等に問題があれば、 具体的な運動方法を教え、簡単に出来る筋トレを指導します。
血管年齢が高ければ、 動脈硬化性疾患の存在を念頭に置き、上位の医療機関で再検査を行い、抗凝固療法なども視野におきます。
そして、食事制限について。口にするものが変わると、あなたの全てが輝きます。なぜなら、食べたもので、あなたは作られるから。ダイエットすると、お菓子やジュースを控えます。その代わりに、バランスの取れた食事や水、お茶に変わる。
これらは、あなたの骨、肌、爪、髪などの材料。バランスのとれた栄養なら、素晴らしいものになりますよね。これが、ダイエットの力です。
2:健康
ダイエットをすると、健康になりますよね。例えば、運動すると、病気に打ち勝つ力が上がることが、論文で証明されています。
適度の運動負荷は生体に刺激を与え, 組織の機能を一時的に低下させるものの, 運動後の機能はかえって高い水準にあがる.)は生体に障害を引き起こす過酸化脂質の変動に関しての検討で適切な種類と強さの運動訓練を重ねることにより, 健康を維持できるだけでなく,疾病の予防効果も期待できるとしている
適度な有酸素運動は免疫力(めんえきりょく)と抗酸化能力(こうさんかのうりょく)を高める作用があり、運動終了後一定期間持続する。
さらに、食事も「食事療法(しょくじりょうほう)」と呼ばれる、食べ物で病気を治すものがあります。ポテトチップスばかりと、バランスの取れた食事では、病気になる確率も違いますよね。
まとめ
スロースクワットの効果、メリット、デメリットが分かったはずです。ただ、本当に必要なのはダイエット。その手段の1つが、スロースクワットなら、素晴らしいですね。あとは、あなたが動くだけですよ。
つまり、全力を出せば、それだけ脂肪が分解されるわけですね。