「ベッドで出来る腕立て伏せって、ないかな?」と横になりながら、今、考えていました?
足だけ乗せて、行いましょう。ただ、寝る前なら1分ほど。それ以上だと、寝にくくなります。さらに、ベッドに全身を乗せては、やりにくい点もお話しします。
そこで、マットレスでも出来る運動「ドローイン」と「ストレッチ」をご紹介します。ドローインとは、腹横筋(ふくおうきん)というコルセットのような腹筋を鍛えるもの。これなら、眠りの邪魔をしません。
どうしても、多くやりたいなら「硬い床で」「寝る2時間前に」しましょう。さあ、横になったまま、この記事を読み進めてください。
ベッドで行う2つの腕立て伏せ
ベッドで行う腕立て伏せをご紹介しましょう。
- ベッドに足だけ乗せる
- ベッドに両手両足を乗せる
1つずつ、見ていきましょうね。
1:ベッドに足だけ乗せる
足をベッドに置くとできますよね。ただ、かなりつらいです。

負荷が大きいので、寝る前は1分だけ
負荷が大きいので、寝る前は1分間だけにしましょう。実は、これで寝つきが良くなることが証明されています。
1分間の腕立て群(U群)
体幹、股関節および膝関節伸展位にて両腕を肩幅に広げ、肘関節最大伸展位で両手掌を床面に接地させる、いわゆる腕立て姿勢にて1分間保持するものとした。
寝付きの改善を図るのには、就床直前の腕立て運動という簡便な運動の実施であっても効果的であり、リラックス効果とともに、深部体温の急激な低下によって改善される可能性がある。
ただ、全力を出すとアドレナリン、ノルアドレナリンという興奮するホルモンが出てしまいます。
〇カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
〇 全力運動
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さ)約2倍もの濃度差が認められた
だから「寝にくくなる」。ベッドで「もぞもぞ」する時間が増えます。

2:両手両足を乗せると、やりにくい3つの理由



やりにくいですよ。その理由は、次の3つです。
- 負荷が逃げてしまう
- 体が上げにくい
- 手首のケガの可能性もある
もう見ただけで「無理じゃん」と思いますよ。
その1:負荷が逃げてしまう

まずは負荷が逃げてしまう。下が柔らかいので、重さがベッドに吸収されます。
その2:体が上げにくい

下が柔らかいので、体も上げにくいですよね。これも難しい点になります。
その3:手首のケガの可能性もある

さらに、手首のケガもしやすい。床が安定しないので、無理な動きも予想されます。
ベッドでも出来る2つの運動
そこで、軽くてベッドで出来る運動をご紹介しましょう。次の2つです。
- ドローイン
- ストレッチ
これなら、寝つきも良くなりますよ。
1:ドローイン
ドローインとは、お腹をへこませて息を吸い、さらにへこませて息を吐くトレーニングです。つまり「深呼吸」と同じ。だから、リラックスもでき、寝やすくなります。
- 鼻から息を吸う
- お腹はへこませる


- 口から息を吐ききる
- お腹はさらにへこませる


〇:YouTubeで確認する


腹横筋(ふくおうきん)というインナーマッスルが鍛えられます。


ここを鍛えるのは、呼吸などの軽い負荷。だから、きちんと効果もあるのです。
2:ストレッチ
ストレッチもいいですね。次の7つをご紹介しましょう。
その1:片足をひざにつけて、もう一方の足をつかむ
その2:太ももの表側を伸ばす
その3:あぐらのような座り方で、両足の裏をつけて、上半身を倒す
その4:足を開いて、上半身を倒す
その5:あおむけになって、ひざを抱える
その6:あおむけになって、足を上に向けてから開く
その7:あおむけになって、腰を回す

絵で確認してください。
その1:片足をひざにつけて、もう一方の足をつかむ
片足を伸ばして座りましょう。もう片方の足をひざにつけて、伸ばした足をつかむのです。

順番は、このようにしましょう。

その2:太ももの表側を伸ばす
足を曲げて、上半身を背中側に倒すと、太ももの表側が伸ばされます。


この筋肉が伸びます。

その3:あぐらのような座り方で、両足の裏をつけて、上半身を倒す
あぐらのようにして、両足の裏をつけましょう。そして、上半身を倒すのです。


これで、股関節(こかんせつ)が柔らかくなります。
その4:足を開いて、上半身を倒す
足を開いて、上半身を倒すのも、股関節が柔らかくなります。

その5:あおむけになって、ひざを抱える
あおむけになって、ひざを抱えるのも、股関節がほぐれます。

その6:あおむけになって、足を上に向けてから開く
まず、あおむけになって、足を上げましょう。

その足を「重力」を使って、開くのです。


足の内側が伸びますよ。
その7:あおむけになって、腰を回す
あおむけになって、腰を回しましょう。足を下の絵のようにすると、回りやすいです。


追い込むなら「硬い床」「寝る2時間前」がおすすめ
腕立て伏せで追い込みたいなら、硬い床で、寝る2時間前にしましょう。

普通の腕立て伏せを、追い込むまで出来る。これで、カテコールアミンも出て、いいトレーニングになりますよ。
筋肉は8~12回で限界を迎えると、成長する
筋肉は「8~12回で限界」を迎えるトレーニングが、最も成長します。なぜなら、ボディビルダーと同じ練習だから。

興奮するホルモンが出るので、少し時間をあける
先ほどもお話ししたホルモンが出るので、2時間ほどあけましょう。これで、ゆっくりと休めます。

まとめ
腕立て伏せにも、トレーニングしやすい場所がある。それがベッドではありません。きちんとした筋トレをすれば、あなたの体は応えてくれます。こちらに、そのすべてを載せた記事があるので、ぜひご覧ください
さあ、あとは、あなたが起き上がる番ですね。