「高速でやる腕立て伏せって、意味あるの?」と疑問に思っているあなたへ。まずは効果を3つ、ご紹介しましょう。
- 脂肪を分解するホルモンの発生
- エネルギーを使いやすい体に作れる
- 心肺機能を高める
さらにトレーニングのポイントも説明します。最後に、速いトレーニングなら、ボクシングがおすすめ。10年の経験からお話ししますので、ぜひ聞いてください。さあ、早速お話しします。
高速でやる3つの効果
高速でやる効果は、次の3つです。
- 脂肪を分解するホルモンの発生
- エネルギーを使いやすい体に作れる
- 心肺機能を高める
早速、見ていきましょう。
1:脂肪を分解するホルモンの発生
高速で行うと、全力を出します。これで、脂肪を分解するホルモンが出る。このホルモンは「カテコールアミン」と呼ばれ、論文で証明されていること。
〇カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
〇 全力運動
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さ)約2倍もの濃度差が認められた

2:エネルギーを使いやすい体になる
高速でやると、息が切れます。これが「エネルギーを使いやすい体」を作れます。
息が切れるのは、酸素が足りない証拠。この酸素を借りてくる必要があります。それが「体内」から。そして、借りてきた分は、返さないといけません。このタイミングが「運動後」なのです。つまり、トレーニングした後、酸素を多く吸う体になる。そして、この酸素は、エネルギーの消費にも使う。これが、その理由です。
この状態を「EPOC(エポック)」といい、論文でも証明されています。
運動後の酸素消費量が安静値へ回復しても肺胞でのや酸素消費量は有意に上昇した状態が続いていた.このことは,運動後に長時間に渡って観察される全身レベルでの酸素消費量の増大は、活動筋以外の組織でのエネルギ消費の亢進,例えば換気や心筋活動の増大,肝臓での糖新生などに起因している可能性を示唆している.
55%強度では2時間程度,70%強度の運動では少なくとも4時間は有意なEPOCが観察された
(補足)このEPOCが、息が切れて、酸素をたくさん取り込む量のことです。

3:心肺機能を高める
息が切れる効果でもう1つ、心肺機能を高めること。心臓と肺を追い込むので、強くなります。
正しいフォーム 5つのポイント
それでは、正しいフォームを確認しましょう。これで、筋肉に正しく刺激を与えます。それが、次の5つです。
- 速さは1回あたり2秒
- 手は胸の下あたりで、肩を背中に引き寄せる
- ひじをカチッと伸ばさない
- 反動を付けない
- 体を一直線に
それでは、早速見ていきましょう。
1:速さは1回あたり2秒

速さは1回あたり2秒ですね。これ以上速くすると「正しいフォーム」が難しくなります。
普通は1回あたり6秒
ちなみに、普通は1回あたり6秒です。

- 「2秒で下す」
- 「1秒キープ」
- 「2秒で上げる」
- 「1秒キープ」
といった感じですね。
①:2秒で下す

②:1秒 キープ

③:2秒で上げる

④:1秒 キープ

2:手は胸の下あたりで、肩を背中に引き寄せる
手の置く場所は「胸の下あたり」にします。そして「肩を背中に引き寄せる」。これで、二の腕、背中に負担がかかります。
〇:手は胸の下

〇:肩を引き寄せる

3:ひじをカチッと伸ばさない

ひじをカチッとすると、負担がかかって、ケガします。しかも「高速」ですから、よくやってしまう。スピードに乗っていると、より痛めやすくなりますよ。
4:反動を付けない

反動を付けないこと。関節に大きな負担が、かかります。

負担は「筋肉だけ」にかけましょう。
5:体を一直線に
体を一直線にしましょう。速く行うと、姿勢が崩れやすいですからね。


このように、バランスが崩れることが多いです。
〇:上半身から

〇:腰から

体に大きな負担になるかも
高速での腕立て伏せは、体に大きな負担がかかります。
- スピードをつけるために無理する
- 速くしようと、ひじや腰に大きな負担をかける
- フォームが崩れて、ほかの筋肉や関節に負担がかかる
- 焦って、ケガをする

高速でする必要は、本当にあるのでしょうか?
スロートレーニングなら、より重い負荷になる
スロートレーニングなら、より重い負荷になります。スロートレーニングとは、1回あたりの時間をかけること。これは、厚生労働省のサイトにも、説明があります。
しかしスロートレーニングでは、トレーニングの動作の仕方を工夫することで、もっと軽い負荷でも効果的に筋力を増強させることが可能となります。50%1RM(1回できる最大の重さの50%)の負荷で行ったスロートレーニングでは80%1RM(1回できる最大の重さの80%)の負荷を用いて通常の速度で行ったトレーニングと同等の筋肥大・筋力増強効果があったという報告があります。
このように負荷重量が比較的小さくても大きな効果が得られるスロートレーニングには下記のようなメリットがあります。
- 自体重を用いた手軽に行えるトレーニングでも大きな効果が期待できる
- 腱や関節への負担が小さく整形外科的な傷害のリスクが小さい
特に怪我のリスクの大きいと考えられる中高齢者向けの効果的なレジスタンス運動として期待されています。

筋トレなら、ゆっくりやる方がいいのです。
速いトレーニングなら、ボクシングをおすすめ
「どうしても、速さを追い求めたい」と思うなら、ボクシングがおすすめです。3分間(1ラウンド)で300発のパンチを出しますからね。これなら、あなたも満足するはず。

ボクシング歴10年の私が、お伝えしたいと思います。
初心者でもすぐ出来る、5つの基本を解説
それでは、すぐ出来る基本を5つ、ご紹介します。
- 構え方
- 力の抜き方
- 当たるときだけ、力を入れる
- ジャブ
- 右ストレート

絵を使って「世界一わかりやすく」お話しします。
その1:構え方
では、構え方。「下半身」と「上半身」に分けて、詳しくお話しします。
〇:下半身
上から見た絵も併せて、お話しします。
- 後ろ足(絵では右)
進行方向に対して「垂直」。かかとは少し上げる
- へその向き
進行方向に対して「45度」。
- 前に出ている足(絵では左足)
少し斜めに。かかとは少し上げる感じで
- 体重
後ろ足の親指のつけね(母指球:ぼしきゅう)に

〇:上半身
上半身は簡単にできます。まずは「亀」のように丸まりましょう。
【前から見た形】

【横から見た形】


【前から見た形】

【横から見た形】


【前から見た形】

【横から見た形】




その2:力の抜き方
攻撃をすぐに出すために、力を抜くことが大事で、これも簡単にできます。まず、力を入れて、肩を落としましょう。
【ギュッと力を入れて】

【肩の力を抜く】


その3:当たるときだけ、力を入れる
当たる時だけ「力を入れる」と、スピードあるパンチが出せます。



その4:ジャブ
ジャブも「下半身」と「上半身」で説明します。
①:「下半身」
絵で見て、イメージしましょう。
【上から見ると】

【横から見ると】

ポイントはこちら。
- 後ろ足で、前に出る
- 「サッカーのスライディング」みたく、前足を出す
- 左腰の「ゴツっとした骨」(腰骨)を前に出す
- 1cm、腰を落とす
- 後ろ足(右足)のかかとは浮かせたまま
- 前足のかかとは、床についてもOK
②:「上半身」

- 「拳」
- 「左肩」
- 「頭」
- 「右肩」を
- 「一直線にする」
ことになります。


実は「ジークンドー」という「ブルースリーが作った、7秒に1人倒す格闘技」でも教えている「ストレートリード」という理論です。

例えば、少しずれると、手で押すだけで、押し返されます。



その5:右ストレート
右ストレートは、次の2点を意識しましょう。
- 「腰を下に落とす」
- 「股間を出す」


野球のピッチャーのように「拳をボールのように投げる」と、すごいパンチが出せます。
初心者に贈る記事もある



これで、もう迷いはありませんね。
まとめ
高速での腕立て伏せは、かなり難しいトレーニングです。正しいフォームが崩れやすく、息も上がりますからね。だからこそ、別の方法も手。それがボクシングであれば、とても嬉しいです。
このサイトでは、色々なトレーニング記事を載せていますので、ぜひ参考にしてください。