「腕立て伏せでダイエットしたいんだよな…」と思っていたあなた。
脂肪を燃やすのに必要なのは「オールアウト」です。オールアウトとは「これ以上無理」となるまで追い込むこと。その理由は次の3つです。
- 「カテコールアミン」というホルモンの力
- 運動した後も、カロリーを多く使う体になる
- 運動自体のカロリーも、たくさん使う
ただ、食事制限も大事です。なぜなら、あなたの脂肪は「食べ過ぎ」で作られたから。
また、腕立て伏せができないなら、軽いものに変えましょう。さらに、それ以外のトレーニングもご紹介します。「筋トレ」と「有酸素運動」で、ダイエットが加速する。これで、目の前に、進むべき道ができます。さあ、早速始めましょう。
オールアウトが大事な3つの理由
腕立て伏せでダイエットするには「オールアウト」が大事です。それは次の3つの理由から。
- 「カテコールアミン」というホルモンの力
- 運動した後も、カロリーを多く使う体になる
- 運動自体のカロリーも、たくさん使う
早速見ていきましょう。
1:「カテコールアミン」というホルモンの力
全力を出すと「カテコールアミン」というホルモンが出ます。これは脂肪を分解するものです。論文の証明が、こちらにあります。
〇カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
〇 全力運動
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さ)約2倍もの濃度差が認められた
「全力を出すこと」で、ダイエット効果が手に入ります。
2:運動した後も、カロリーを多く使う体になる
運動した後も、カロリーを多く使う体になります。それは「息切れ」の力。
息切れは全力を出したときに、借りてきた体内の酸素を、補うためです。これは、運動後も起こります。さらに、運動がきついほど長くなる。そして、この多く取り入れた酸素は、エネルギーの消費にも使われます。だから、運動した後も、カロリーを多く使うのです。これを「EPOC(えぽっく)」と言い、論文で証明されています。
運動後の酸素消費量が安静値へ回復しても肺胞でのや酸素消費量は有意に上昇した状態が続いていた.このことは,運動後に長時間に渡って観察される全身レベルでの酸素消費量の増大は、活動筋以外の組織でのエネルギ消費の亢進,例えば換気や心筋活動の増大,肝臓での糖新生などに起因している可能性を示唆している.
55%強度では2時間程度,70%強度の運動では少なくとも4時間は有意なEPOCが観察された

3:運動自体のカロリーも、たくさん使う
全力を出すと、運動自体に使うカロリーも違います。なぜなら、カロリーの計算式に「運動の強さ(メッツ)」が関係しているから。
運動カロリーの計算式は、こちらです。
運動のカロリー=
- 運動の強さ(メッツ)×
- 運動時間(時間)×
- 体重(kg)×
- 1.05
ウォーキングより、ジョギングの使うカロリーが多いのも、納得ですよね。
正しい腕立て伏せの方法
それでは、正しい腕立て伏せの方法をご紹介します。次のコツで、しっかり行いましょう。
- 2秒で下げる
- 1秒キープする
- 2秒で上げる
- 1秒キープする
①:体はまっすぐにする
②:手は胸の下
③:肩を引き寄せる
④:細マッチョになりたいなら、腕を閉じる
⑤:胸を鍛えたいなら、腕を広げる
⑥:筋肉を大きくするなら、8~12回で限界になるもの
⑦:細く引き締めたいなら、20回くらいで限界になるもの
1回、6秒で行う

①:2秒で、動かす

②:1秒、キープ

③:2秒で、また動かす

④:1秒、またキープ


これだけの時間をかけている人は、あまりいません。
気をつける7つのポイント

続いて7つのポイントです。
①:体はまっすぐにする
体をまっすぐにしましょう。正しい姿勢こそ、大事です。


〇:上半身から動かすフォーム

〇:下半身から動かすフォーム

②:手は胸の下
手の置く場所は、胸の下。これだけでも、負荷が大きくなります。

③:肩を引き寄せる
体を下ろす時は、肩を引き寄せると、上手くいきます。わきを締めたまま、出来ますよ。

④:細マッチョになりたいなら、腕を閉じる
細マッチョなら、腕を閉じましょう。

二の腕、背中に負荷がいきますからね。

広背筋(こうはいきん)に刺激がいきます。

⑤:胸を鍛えたいなら、腕を広げる
胸を鍛えたいなら、腕を広げましょう。

背中や腕に行く負荷が、胸にかかります。

大胸筋(だいきょうきん)が鍛えられます。

⑥:筋肉を大きくするなら、8~12回で限界になるもの
筋肉を大きくしたいなら「8~12回で限界を迎えるもの」ですね。なぜなら、ボディビルダーが、このトレーニング方法だから。

⑦:細く引き締めたいなら、20回くらいで限界になるもの
細く引き締めたいなら、回数を多くしましょう。20回ほどでいいですね。回数が多ければ、マラソンランナーのような筋肉になります。

ボクサーのトレーニングが、まさにこれ。ちなみに私はボクシング歴10年です。
3つの間違ったもの
では、間違ったやり方を3つ、紹介します。
- 反動をつける
- 関節が動く
- カチッと伸ばす
あなたの腕立て伏せを見直してください。
1:反動をつける

反動は「軽い力で重いものを持ちあげるときに使うもの」。だから、トレーニングでは、必要ありません。軽いものでも、筋肉に刺激が行けば、必ず成長します。
2:関節が動く


関節を動かしても、簡単に体を上げられます。

3:ひじをカチッと伸ばす
ひじをカチッと伸ばすと、ケガする可能性が大きくなります。

ひじには、腱(けん:筋肉と骨をつなげるもの)、靭帯(じんたい:骨と骨をつなげるもの)があります。ここを痛めると、治すのに時間がかかる。なぜなら、血管が通っていないので、血液で栄養を届けられないからです。ぜひ、避けましょう。
できないなら、軽いものに変えてみる
腕立て伏せができない、運動習慣がない場合は、軽いものにしてみましょう。例えば、次の3つをお話ししていきます、。
- 膝(ひざ)を立てる
- テーブルや階段に手をついて
- 壁に手をついて
それでは、1つずつ見ていきましょう。
1:膝(ひざ)を立てる
まずは「膝を立てる」こと。これで、楽にできるようになります。
〇:流れを4コマで見る

- このまま1秒キープ
- 足は組まず、そろえたまま

- 2秒かけて、体を落とす

- 床には、胸をつけない
- このまま、1秒キープ

- 2秒かけて、Aに戻る
出来なければ、次にチャレンジです。
2:テーブルや階段に手をついて
テーブルや、階段に手をつくと、さらに楽になります。
〇:流れを4コマで見る

- 体と床の角度は45度くらいに
階段の高さで、負荷が調整できます。
- このまま1秒キープ

- 2秒かけて、体を下ろす

- 胸が軽く触れるまで
- このまま1秒キープ

- 2秒かけて、Aに戻る
これもつらいなら、次のトレーニングをしましょう。
3:壁に手をついて
最も楽なのが、壁に手をついてです。
〇:流れを4コマで見る

- 手は胸の少し下
- わきをしめる
- このまま1秒キープ

- わきはしめたまま
- 2秒かけて、腕を曲げる

- おでこと壁が触れるギリギリまで
- 1秒キープする

- 2秒かけて、Aに戻る
ここからでも、正しいフォームなら、筋肉は必ず応えてくれます。
腕立て伏せ以外のおススメ 2つの筋トレ
腕立て伏せ以外で、おススメの筋トレは次の2つです。
- スクワット
- ブリッジ
これもプラスして、全身を鍛えましょう。
1:スクワット
スクワットは、効率的な筋トレです。なぜなら、下半身は「全身の筋肉の70%」があるから。大きな筋肉を使うと、消費するカロリーも大きいし、成長も期待できます。
それでは、やり方を2つ、お話ししましょう。
- 足の半分だけ下すスクワット
- しゃがみこむスクワット
下半身も筋トレするのです。
1-1:足の半分だけ下すスクワット
足の半分だけ下すスクワットを「ハーフスクワット」と言います。やり方はこちら。
〇:流れを4コマで見る

- 肩幅に足を広げる
- まず1秒キープ

- お尻を後ろに下げる
- 2秒かけて、体を落とす

- 太ももと床が平行に
- かかとは地面につけたまま
- 1秒キープする

- 2秒かけて、Aに戻る
〇:YouTubeで確認

まずは、ここから始めましょう。
1-2:しゃがみこむスクワット
足全てを曲げて、しゃがみこむスクワットを「フルスクワット」と言います。こちらも絵を使って、説明しましょう。
〇:流れを4コマで見る

- 肩幅に足を広げる
- 1秒キープ

- お尻を落とす
- 2秒かけて、足を曲げる

- 太ももと、ふくらはぎにくっつける
- かかとは地面につけたまま
- 1秒キープする

- 2秒かけて、Aに戻す
〇:YouTubeで確認

スクワットは、下半身のほかに、腹筋なども鍛えられますからね。

2:ブリッジ
ブリッジも、お腹、背中を鍛えるいい筋トレです。こちらは3つ、お話ししましょう
- 仰向けに寝て、腰を上げるブリッジ
- 手を後ろについて、腰を上げてのブリッジ
- 腕と足のつま先で支えるブリッジ
あなたの体幹(体の中心部分)が、安定しますよ。
2-1:仰向けに寝て、腰を上げるブリッジ
仰向けに寝て腰を上げましょう。これも、ブリッジの1つです。
〇:流れを4コマで見る

- 足を床につける
- 腕は体の前に組む
- ひざは90度くらい曲げる

- お尻を上げる
- 足はつけたまま
- 2秒かけて、お尻だけを上げる

- 体は一直線にする
- 足はつけたまま
- 1秒キープする

- お尻を2秒かけて、下げる
- 足はつけたまま
〇:YouTubeで確認

簡単そうですが、きちんとしたフォームなら、かなりきついですよ。
2-2:手を後ろについて、腰を上げてのブリッジ
慣れたら、手を後ろについて、腰を上げてみましょう。
〇:流れを4コマで見る

- 体は直角に
- 手の指は、足の方に向ける
- かかとだけを床につける
- 足のつま先は天井に

- お尻を上げる
- 足を伸ばしたまま
- かかとだけを床につける
- 2秒かけて、動かす

- 体は、腕立て伏せと同じ一直線に
- かかとはつけたまま
- 1秒キープする

- お尻を2秒かけて、下げる
〇:YouTubeで確認

自分の体の変化を、感じるはずです。
2-3:腕と足のつま先で支えるブリッジ
腕と足のつま先で支えるブリッジを「フロントブリッジ」と言います。絵で見ると簡単です。
〇:前から見ると

〇:横から見ると

- 体は一直線上に
- 最初は「30秒」その後「15秒ずつ伸ばす」

トレーニングの幅が広がったはずです。
有酸素運動でダイエットを加速する
有酸素運動も使って、ダイエットを加速させるのも、いい方法です。なぜなら、この運動もカテコールアミンを出すから。こちらに、論文の証明があります。
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.
ここでは、次の2つを上げます。
- ジョギング
- ウォーキング
長い時間、体を動かせるので、カロリー消費にもつながります。
1:ジョギング
ジョギングは、多くの人がダイエットのために、する運動ですよね。


ぜひ確認してください。
まずは、時間は気にしなくていい点。これで「早く走らなきゃ」というプレッシャーから、解放されます。
ひじを引くように腕を振ると、上半身がうまく使えて、走りやすくなります。
つま先で着地すると、負担が軽くなり、長く走れます。

2:ウォーキング
ウォーキングも、有酸素運動として、有名ですね。コツは、次の3つです。
足の中心で着地すると、負担も軽く、歩きやすいです。つま先だと、歩き方が不自然になりますからね。
リュックなど、両手が使えるカバンにしましょう。荷物の重さがバランスよくかかり、腕も使えるので、おススメですね。
呼吸は「鼻から2回吸って、口から2回吐く」ことです。これで肺も楽になりますよ。

食事制限の大事さ
食事制限は、ダイエットにおいて大事です。なぜなら、太った理由は、食べ過ぎだから。
腕立て伏せだけでは、カロリーは少ない
「腕立て伏せだけ」では、使うカロリーが明らかに少ないです。まず、運動で使うカロリーの計算式はこちら。
運動で使うカロリー=
- 運動の強さ(メッツ)×
- 運動時間(時間)×
- 体重(kg)
腕立て伏せの運動の強さ(メッツ)は「8.0」。そして、時間は「20回を3セット」しても、わずか「10分」でしょう。つまり「70kg」の人が使うカロリーは
- 8.0(メッツ)×
- 6分の1(時間)【10分】×
- 70(kg)=
93kcal
つまり、おにぎり1個分です。


「使うカロリー>食べたカロリー>基礎代謝(きそたいしゃ)」で、やせる
痩せるカロリーの計算式は、こちらです。
使うカロリー>食べたカロリー>基礎代謝(きそたいしゃ)
- 基礎代謝とは、人が生きる上で必要な最低限のカロリーのこと。

「使うカロリー>食べたカロリー」

「食べたカロリー>基礎代謝」
さらに「食べたカロリー」が「基礎代謝」よりも大きいことが大事。なぜなら「基礎代謝」以下だと、体が危険と判断し、カロリーを使わなくなるから。
生きるのに必要なカロリー以下なので、危ないですよね。そうなると、体は筋肉を分解します。なぜなら、脂肪は「エネルギーの貯金」で、大事だから。
だから、極端な食事制限をすると、やせにくい体になるのです。筋肉が無くなり、脂肪はそのままですから。

簡単にダイエットできる「少しのコツ」


それでは、私もやっている「少しのコツ」をご紹介します。
- 甘いものは「朝」に食べる
- 揚げ物よりも、焼き物
- ビールよりもハイボール
- 居酒屋は「サラダの宝庫」
- 居酒屋のメニューのカロリーは「値段」と同じ
- 昼ご飯は「ダイエットを選べるチャンス」

これで、あなたの生活は確実に変わります。
その1:甘いものは「朝」に食べる
甘いものは朝に食べましょう。エネルギーとして、その日に使われます。私がもう10年以上やっていること。ケーキも、シュークリームも、大福も、バナナも、全て朝に食べます。ストレスも全くありません。
その2:揚げ物よりも、焼き物
揚げ物はカロリーが多いので、焼き物にしましょう。比較をすれば、簡単にわかります。
揚げ物Lチキ ガーリックマヨ味 349kcal
鶏から しょうゆ 4個 340kcal
焼き物でか焼鳥 ねぎま 2本 162kcal
でか焼鳥 もも塩 2本 248kcal

数字で見れば、反対はありません。
その3:ビールよりもハイボール
ハイボールは「糖質」がありません。糖質とは、ごはんやパン、お菓子やジュースに入っている栄養。
サントリー角ハイボール缶(500ml) 糖質0g
トリス ハイボール(500ml) 糖質0~5g
これは多く摂りすぎている可能性が高く、肥満や脂肪を作る原因となっている。

だから、お酒くらい、ゼロにしましょう。
その4:居酒屋は「サラダの宝庫」
居酒屋は「サラダの宝庫」。家で作れないものがたくさんあるので「野菜」が多くとれます。食物繊維(しょくもつせんい)という、お腹の調子をよくする栄養素がたくさん入っているので、体にもいいですよ。
その5:居酒屋のメニューのカロリーは「値段」と同じ
居酒屋のメニューのカロリーは「値段」とほぼ同じです。実際に見てみましょう。
- とろ~りモッツァレラチーズのフライ…490円
- 鉄板!牛ハラミステーキ…590円
- クリスピーおつまみ テリヤキチキンピザ…490円
- 焼き鳥盛合せ(タレ・塩)5本…690円

見てみると、何となくわかりますよね。
その6:昼ご飯は「ダイエットを選べるチャンス」
昼ご飯を、コンビニやレストラン・食堂で食べる人も多いでしょう。ここで「ダイエット」を選びましょう。例えば「カロリーが少ないランチセットを頼む」「糖質を食べない」「サラダとタンパク質を多く取る」など。自由だから、あなたのやりたいダイエットができますよ。
まとめ
腕立て伏せだけでは、ダイエットは難しいです。ただ、脂肪を分解する効果は、確実にある。だから、取り入れましょう。そして、ほかの運動をプラスし、食事制限も行うのです。これで「成功するダイエット」の完成。さあ、あなたは、もう1人ではありませんよ。