「きつい運動のほうが、やせそうだよな。」やはり、こう思う人は多いですよね。「きつい運動のほうが、使うカロリーが多いかも」と考えるのは、確かにわかります。
そこで、有酸素運動、筋トレの強さの基準について、お話しましょう。目安は、こちらになります。
- 有酸素運動 会話ができるくらい
- 筋トレ もうこれ以上できないくらい
これで、強さの基準がわかったでしょう。さらに、筋トレは回数によって、作られる筋肉が違うので、あわせて、説明します。
また「運動などで使うカロリーの計算式」を、お話ししますね。この式では、運動の強さを「METS(メッツ)」という単位を使って表しています。これも、1つの知識として、知っておきましょう。
最後に、運動の効果をお話しします。これを知ると「運動したい!」と思うはず。体を動かす1歩が、簡単に踏み出せるのです。
つまり、あなたは、ここで「脂肪を燃やすのに必要な運動の強さ」と「運動の本当の効果」が分かるわけです。強いだけではダメ。さあ、その理由を早速、見ていきましょう。
脂肪が燃える2つの運動「有酸素運動」と「筋トレ」
脂肪が燃える運動は「有酸素運動」と「筋トレ」です。この2つの運動を行えば、ダイエットは成功するのです。

有酸素運動の強度は「会話ができるくらい」

有酸素運動の強度は「会話ができるくらい」です。なぜなら、この強さで行うと、運動中に酸素を取り込みやすいから。

あれ? でも、それくらいの強さで、脂肪が燃えるの?
と思ったあなたに、脂肪が燃える理由を、説明します。
有酸素運動が、脂肪を燃やす理由
まず、脂肪が燃えるには「カテコールアミン」と呼ばれるホルモンを出すことが、ポイントになります。この働きは、論文で証明されています。
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである
そして、有酸素運動は、このホルモンを出します。これも、論文で証明されているのです。
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,インスリン濃度の低下が認められた.

だから、有酸素運動は、ダイエットに効果的なわけです。

でも、そもそも有酸素運動って、どんな運動?
と思いますよね。そこで、有酸素運動の定義について、ご紹介しましょう。これは、「軽め~中程度の強さで行う運動」になります。
有酸素運動(ゆうさんそうんどう、Aerobic exercise、Cardio workout)とは、好気的代謝によってヘモグロビンを得るため長時間継続可能な軽度または中程度の負荷の運動をいう

この運動は、体を動かしているときに、酸素が必要なわけです。だから「有酸素運動」。
「会話ができる程度」であれば、体を動かしている間でも、呼吸ができ、酸素を取り込めます。
筋トレの強度は「これ以上できない」くらい

筋トレの強度は「もうこれ以上できないくらい」です。なぜなら、全力を出すことで、カテコールアミンの1つ「アドレナリン」がより発生しやすくなるから。
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
この「これ以上できない」という状態を、オールアウトといいます。この「オールアウト」には、ほかにも効果があります。それが次の3つ。
オールアウトの3つの効果
- 血液のエネルギーを使い切るので、より脂肪が燃えやすい
- 筋肉がより鍛えられる
- 息切れすることで、やせやすい体になる
さっそく、1つずつ見ていきましょう。
効果1:血液のエネルギーを使い切るので、より脂肪が燃えやすい

これ以上できないところまで、追い込みますから、血液のエネルギーを使い切ります。これが、脂肪を、より燃えやすくするのです。
効果2:筋肉がより鍛えられる

強い筋トレをすると、筋肉がより成長できます。
トレーニングすると、筋肉の繊維(筋繊維:きんせんい)が切れます。これを回復することで、筋肉は成長する。しかも、トレーニング前よりも、少し大きく強くするのです。これを「超回復(ちょうかいふく)」といいます。
「これ以上、無理」というところまで鍛えると、筋繊維が多く切れます。つまり、成長も大きくなるのです。
効果3:息切れすることで、やせやすい体になる

力の限りトレーニングすると、息切れしますよね。それが、大きな力になります。実は、息切れをすると、そのあと「やせやすい体」になるのです。
息切れとは、酸素が少ない状態。それを運動した後、元に戻そうとします。つまり、酸素を多く取り込むわけですね。そうなると、エネルギーが多く使われ始めます。酸素が多いと、カロリーをエネルギーに変えやすいわけです。これが「やせやすい体」。
これも論文で、証明されていることです。
運動後の酸素消費量が安静値へ回復しても肺胞でのや酸素消費量は有意に上昇した状態が続いていた.このことは,運動後に長時間に渡って観察される全身レベルでの酸素消費量の増大は、活動筋以外の組織でのエネルギ消費の亢進,例えば換気や心筋活動の増大,肝臓での糖新生などに起因している可能性を示唆している.
また、力の限り行うので、よりこの効果が期待できます。
55 %強度では2時間程度,70%強度の運動では少なくとも4 時間は有意なEPOCが観察された
(補足)このEPOCが、息が切れて、酸素をたくさん取り込む量のことです。

オールアウトの力が、理解できたでしょう。
筋肉の鍛え方 2種類
筋肉の鍛え方は、2種類あります。それがこれ。
- 重いものを10回ほど⇒大きくて太い筋肉
- 軽いものをたくさん⇒細くて引き締まった筋肉
では、1つずつ見ていきましょう。
1:重いものを10回ほど⇒大きくて太い筋肉

重いものを数回やると、大きくて太い筋肉になります。具体的には、4~11回で限界になる重さで、筋肉は大きくなります。(引用 トレーニングと筋の肥大を考えよう)
2:軽いものをたくさん⇒細くて引き締まった筋肉
軽いものをたくさんやると、細くて引き締まった筋肉になります。たとえば、ボクシングは1ラウンド3分の間に、300発出します。手には何も持っていませんが、この時間で、倒れ込むくらい疲れる人も多いです。

ちなみに、私はボクシング歴10年ですから、自信をもって、お話しできます。
使うカロリーの式
運動で使うカロリーの式はこれです。
カロリー=運動の強さ(メッツ)×体重(kg)×時間(分)
つまり、使うカロリーは、運動が強ければ、より高くなるというわけです。
メッツというもの

そして、運動の強さの単位をメッツ(METS)といいます。ちなみに、メッツの数字を、このようにまとめてみました。
横になって静かにテレビを観る 1.0
ジョギング:全般 7.0
バスケットボール:全般 6.5
バックパックを背負って歩く 7.8

こういう単位もあるんだなと、思いますよね。
メッツを気にしない理由

ここまで、お話ししましたが、このメッツは、気にしなくていいです。なぜなら、運動し続けることこそ、ダイエットに必要だからです。
太っている人は、運動しません。また、リバウンドした人は、運動をやめてしまったからです。
これが1番の問題。
つまり、体を動かし続けることこそ、最も大事です。
私は25年間、176cm、65kgの体型を維持しています。この私が、メッツを意識したことはありません。「この運動は、3.5メッツだ!」と言って、運動はしないのです。

私の経験から、運動は強度よりも、続くことが大事だと、はっきりと言えます。
ダイエット以外の運動の効果 5選
運動の効果は、ダイエット以外にもあります。それがこの5つです。
- アンチエイジング
- 健康
- ストレス解消
- 自信をつける
- 疲れを取る

そして、これこそ、あなたがダイエットする「本当の目的」なのです。
効果1:アンチエイジング

運動には、アンチエイジングの効果があります。アンチエイジングとは、年齢による衰えを、少しでも防ぐ行動などを言います。
たとえば、肌も老化しますが、これを防ぐ効果があるのです。
皮膚の老化を避けるためには光老化対策、酸化ストレス対策、糖化ストレス対策が重要である。
一次予防としては骨格筋肉量の維持、適度な運動、適正な食習慣が奨励される。これは血糖の急激な上昇を避け、インスリン抵抗性を増加させないためである。グルコースの70% は骨格筋で消費され、骨格筋量の減少がインスリン抵抗性増加を助長するので筋肉負荷運動は重要である。
そして、日本抗加齢医学会(にほんこうかれいいがっかい)というところでは、アンチエイジング医学を行っています。そのホームページで「運動には、アンチエイジングに効果がある」という記載があります。
アンチエイジング医学は“加齢”に焦点をあてた究極の予防医学といえる。 予防医学を考えるときに最も中心的な医学となる可能性を秘めた医学なのである。
現在厚生労働省は、メタボリックシンドローム撲滅のためにあげている、適度な運動、適切な食事、禁煙、サプリメントなどはまさにアンチエイジング医学の流れにそったものであり、単に疾患予防というレベルを超えて、さらに健康レベルをあげていくことがアンチエイジング医学的アプローチといえる。
所見から抗加齢(アンチエイジング)的な医学的戦略に結びつけます
(例)
骨年齢が高ければ、 適量の骨に刺激を与える運動や有酸素運動をすすめます。
体脂肪が多く、筋肉量、筋力等に問題があれば、 具体的な運動方法を教え、簡単に出来る筋トレを指導します。
血管年齢が高ければ、 動脈硬化性疾患の存在を念頭に置き、上位の医療機関で再検査を行い、抗凝固療法なども視野におきます。

運動している人は、若々しいですよね。あの印象は、実際に若いのです。
効果2:健康

運動は、健康の効果があります。これも、よく言われていますよね。
例えば、活性酸素(かっせいさんそ)という、いろんな病気の原因になる物質を、抑える効果があります。
適度の運動負荷は生体に刺激を与え, 組織の機能を一時的に低下させるものの, 運動後の機能はかえって高い水準にあがる.)は生体に障害を引き起こす過酸化脂質の変動に関しての検討で適切な種類と強さの運動訓練を重ねることにより, 健康を維持できるだけでなく,疾病の予防効果も期待できるとしている
私もボクシングを始めたのが、この健康です。大学時代、1週間に3回も風邪をひいて「これは会社勤めできない」と思うほど、寝込む生活を送っていました。
その私が始めたのが、ボクシングです。それから、鼻呼吸をして「これが集中するってことか」と思ったのを、今でも覚えています。
今では、インフルエンザの予防接種のときだけ、病院に行くくらいですね。
効果3:ストレス解消

運動は、ストレス解消になります。

太っている人は、ストレスを食べることで解消します。
やせている人は、それを運動で解消するのです。
これが「決定的な違い」。
私も、ボクシングを歩道でやっています(笑)。ジムに行く時間がないので、誰も来ない清掃工場の前でやっているのです。はっきり言って「おかしい人」ですよね。
でも、スッキリするので、止めません(笑)。それくらいやりたい運動を、あなたも見つけてほしいですね。
効果4:自信をつける

運動は、自信をつけます。引き締まる腕、体力がついてきた感覚、スッキリした頭。これは仕事や生活に、大きな自信をつけます。
その変化を実感していれば、話す言葉、立ち姿、歩き方も、まったく違うものになる。「別人」といってもいいくらいですね。
こうなれば「輝いているオーラ」が出ます。実際に、運動していて、引き締まった人は、そういった自信やオーラが出ていますよね。これが、あなたにも出てくるのです。
効果5:疲れを取る

軽い運動は、疲れを取ります。家でゴロゴロすると、なぜか疲れていることありませんか?
その代わり、軽く運動すると、スッキリした感覚をしたことも多いはずです。運動は疲れを取る効果があるのです。
まとめ
2つの運動の強度が、わかったでしょう。さらに、本当に大事なのは、強さではなく「続けること」。続くから、カッコよくなるし、綺麗になるし、輝けるわけです。
さあ、今すぐに始めましょう。あなたは、その方法を知りました。ただ、それだけでは何も変わりません。ここから、始めるのです。動くことだけが、あなたの人生を変える方法。ただ、それだけなのです。
それでは、まず「有酸素運動」から、見ていきましょう。