「50代の運動不足って、どうしたらいいの?」と思っていたあなた。
まず、マイナスに働く4点をご紹介します。
- 筋肉の衰え
- 骨密度が減る
- 病気
- 老化
年齢を重ねると、この違いが激しい。ただ遅くはありません。論文が証明していますから、確認しましょう。そして、すぐに出来る運動を「1分」と「5分」に分けて、ご紹介します。これで、あなたの人生は変わる。さあ、早速始めましょう。
50代運動不足が、抱えている4つのマイナス
50代の運動不足は、これだけ損です。
- 筋肉の衰え
- 骨密度が減る
- 病気
- 老化

1:筋肉の衰え
まずは筋肉が衰える。運動しないと、確実に無くなります。しかも、年齢が上がるほど、衰えは加速し「歩く」「立つ」など、日常生活にも支障が出ます。これを「サルコぺニア症候群」と言い、普通の生活すら困難になるのです。厚生労働省のサイトでも、記載があります。
(サルコぺニア症候群とは)筋肉の量が減少していく老化現象のことです。25~30歳頃から進行が始まり生涯を通して進行します。筋線維数と筋横断面積の減少が同時に進んでいきます。主に不活動が原因と考えられていますが、そのメカニズムはまだ完全には判明していません。
筋力・筋肉量の向上のためのトレーニングによって進行の程度を抑えることが可能ですので、歳を重ねる毎に意識的に運動強度が大きい運動(レジスタンス運動)を行うことが大切です。
2:骨密度(こつみつど)が減る
そして、運動しないと、骨密度(こつみつど:骨の密度)が減ります。これで骨折しやすくなる。運動には、筋肉だけでなく、骨へも刺激を与える。これが「骨の作り変え」をスムーズにしてくれます。使われる骨は、当然、強くしないといけません。体にとって、自然な反応ですよね。その刺激がなければ「くしゃみ」や「転倒」だけでも、折れる。これは怖いですよね。
3:病気
運動しないと、体がどんどん弱くなり、病気の可能性も出てくる。風邪などの軽いものでも、肺炎になり、重症化しやすいです。
これは、私の体験談。私は大学時代、日常生活で、ずっとベッドに横たわっていました。そうすると、1週間に3回も風邪を引くほど、体が弱くなったのです。寝込んでいる間「これは会社勤めが無理かも」と、思った記憶があります。そこから、ボクシングを始めて、ここ5年間は、風邪で病院に行っていません。

さらに、病気を予防する力や、打ち勝つ力は論文で証明されています。
適度の運動負荷は生体に刺激を与え, 組織の機能を一時的に低下させるものの, 運動後の機能はかえって高い水準にあがる.)は生体に障害を引き起こす過酸化脂質の変動に関しての検討で適切な種類と強さの運動訓練を重ねることにより, 健康を維持できるだけでなく,疾病の予防効果も期待できるとしている
適度な有酸素運動は免疫力(めんえきりょく)と抗酸化能力(こうさんかのうりょく)を高める作用があり、運動終了後一定期間持続する。
※免疫力、抗酸化能力…病気に打ち勝つ力

子供のころ、親から言われたことは、体験談でも、科学的にも正しかったのです。
4:老化
そして、老化が進みます。正しい姿勢も、健康的な歩き方も、全て筋肉と骨の健康が条件。これがないと、腰が折れ曲がり、歩き方も老人になります。


そのほかにも、例えば、運動には、肌の老化を予防する力が、あるんですよ。
皮膚の老化を避けるためには光老化対策、酸化ストレス対策、糖化ストレス対策が重要である。
一次予防としては骨格筋肉量の維持、適度な運動、適正な食習慣が奨励される。これは血糖の急激な上昇を避け、インスリン抵抗性を増加させないためである。グルコースの70%は骨格筋で消費され、骨格筋量の減少がインスリン抵抗性増加を助長するので筋肉負荷運動は重要である。

これでも、やらないんですか?
日本抗加齢医学会という「学会」もある
さらに、日本抗加齢医学会(にほんこうかれいいがっかい)という、アンチエイジング(実年齢よりも若くいること)を研究している学会のサイトで、このような記載があります。
アンチエイジング医学は“加齢”に焦点をあてた究極の予防医学といえる。 予防医学を考えるときに最も中心的な医学となる可能性を秘めた医学なのである。
現在厚生労働省は、メタボリックシンドローム撲滅のためにあげている、適度な運動、適切な食事、禁煙、サプリメントなどはまさにアンチエイジング医学の流れにそったものであり、単に疾患予防というレベルを超えて、さらに健康レベルをあげていくことがアンチエイジング医学的アプローチといえる。
所見から抗加齢(アンチエイジング)的な医学的戦略に結びつけます
(例)
骨年齢が高ければ、 適量の骨に刺激を与える運動や有酸素運動をすすめます。
体脂肪が多く、筋肉量、筋力等に問題があれば、 具体的な運動方法を教え、簡単に出来る筋トレを指導します。
血管年齢が高ければ、 動脈硬化性疾患の存在を念頭に置き、上位の医療機関で再検査を行い、抗凝固療法なども視野におきます。

何度も聞きますよ! これでもやらないんですか?
習慣が「ある・ない」の差が大きい
つまり、運動する人と、そうでない人の差が大きいです。例えば、私は42歳ですが、姿を見れば、かなり若いと思うはず。



いや、自分で言うのも、お恥ずかしいんですけど。
遅いことは、決してない
そして、運動を始めるのに、遅いことは、ありえません。なぜなら、どの人種の高齢者でも、鍛えると効果が出ることも証明されているから。
高齢者の筋力トレーニングの効果については, 日本人、カナダ人、アメリカ人、スウェーデン人を対象にした研究報告がいくつかみられる。いずれの報告においても, トレーニングにより筋力の増加が認められたという結果で一致している

筋肉に「年齢は関係ない」のです。
習慣になる5つのトレーニング


それでは、簡単に出来る運動をご紹介しましょう。
- 1-1:ロングブレス
- 1-2:ドローイン
- 2-1:ストレッチ
- 2-2:ほんの少しのスクワット
- 2-3:壁に手をついた腕立て伏せ

このように簡単に出来るものを「ベイビーステップ」と言います。最初の1歩さえ踏み出せば、自然と続けられるものですよ。
1:1分で出来る

時間がないあなたにも、必ず出来ます。
1-1:ロングブレス
ロングブレスとは、3秒かけて、鼻から息を吸い、7秒かけて、口から息を吐き切るものです。

- 鼻から3秒かけて、息を吸う
- 腕は真上に伸ばす
- 腰は少し反らし気味
- 足は前後にずらす


- 7秒かけて、口から息を吐く
- 腕を全力でとじる


はい。腹横筋は、体の内側にある筋肉(インナーマッスル)。これは軽い力でのみ、鍛えられます。だから、呼吸で十分です。
強い力だと、骨格筋(こっかくきん:アウターマッスル)という、手で触れる筋肉が動き、インナーマッスルがサボります。

5回やっても、ほぼ1分。これで、腰痛も改善されます。
1-2:ドローイン
ドローインとは、息を吸いながらお腹を凹ませ、息を吐きながら、さらに凹ませるものです。

- 3秒かけて、鼻から息を吸う
- お腹をへこませる

- 口から7秒で息を吐き切る
- 必ず「吐き切る」
- お腹をさらにへこませる
こちらも腹横筋が鍛えられますよ。
2:5分で出来る
5分なら、必ず取れますよね。早速、確認しましょう。
2-1:ストレッチ
ストレッチは、体の筋肉や腱(骨と筋肉をつなげるもの)を伸ばすこと。いくつかお話しましょう。
- ①:腕を引き寄せて、肩を伸ばす
- ②:手の指を引っ張り、前腕の筋肉を伸ばす
- ③:手を壁に着けて、体を回す
- ④:膨らむ風船を抱えるように、体の外側を伸ばす
- ⑤:太ももの表側を伸ばす
- ⑥:あぐらのように座り、足の裏を付けて、上半身を倒す
- ⑦:腰を回す
- ⑧:ヨガのコブラのポーズ
絵を使って、動きを解説します。
①:腕を引き寄せて、肩を伸ばす

ひじに腕を当てて、引き寄せると、肩が伸びます。簡単で手軽ですよね。
②:手の指を引っ張り、前腕の筋肉を伸ばす
両腕を伸ばし、手の指を引っ張りましょう。

上下行うことで、違う筋肉が伸びます。
③:手を壁に着けて、体を回す
手を壁に着けて、逆側に体を回しましょう。

指の向きは「上」「下」で行うのがポイントです。
④:膨らむ風船を抱えるように、体の外側を伸ばす
膨らむ風船を抱えるようにすると、体の外側が伸びます。

イメージが大事ですね。
⑤:太ももの表側を伸ばす
足を伸ばして座り、片方の足を曲げましょう。上半身を後ろに倒すと、太ももの表が伸びます。


⑥:あぐらのように座り、足の裏を付けて、上半身を倒す
あぐらのように座り、足の裏を付けましょう。

このまま上半身を倒すと、股関節(こかんせつ)がほぐれます。

⑦:腰を回す
仰向けになって、腰を回しましょう。

足を腰の場所まで動かすと、腰がより回ります。
⑧:ヨガのコブラのポーズ
ヨガに、コブラのポーズと呼ばれるものがあります。

背中が伸びて、気持ちいいですよ。これで「体の動かし方」も思い出します。
2-2:ほんの少しのスクワット
ほんの少しのスクワットもいいですね。具体的には「足の4分の1だけ」下すスクワット。早速、絵で確認します。

- 前で腕を組む
- 両足にしっかりと体重をかける

- お尻から下す
- 出来るところまで、落とす
「これなら」と思いますよね。
2-3:壁に手をついた腕立て伏せ
壁に手をついた腕立て伏せも、いいですね。

- 手の位置は、胸の下あたり
- 手の幅は、肩幅ほど
- 体を少し斜めにする
- 腕に体重を自然とかける

- 2秒かけて、体を下す
- 息は吸いながら

- おでこに軽く触れるくらい
- 下せるところまででOK
- このまま1秒キープ

- 息を吐きながら、Aに戻る
- 2秒かける
ポイントを絵で2つ確認しましょう。
①:手は胸の下

②:肩を引き寄せる

これで、わきが締まり、負荷が腕と背中にいきます。キツイ筋トレに変わりますよ。
簡単なものを積み重ねると、自信がつく


それが「大あり」です。
簡単なものでも、積み重ねると、自信がつきます。そして、必ず体で変化を感じる。腰回りの調子がいい。筋肉が少し大きくなった。これが、あなたに自信をつけるのです。
楽しいと続く
楽しいと続きます。「1分」「5分」と言わず、何でもOK。ウォーキングや登山でも、いい運動になります。こういったものを、選ぶのが大事です。
積極的休息(せっきょくてききゅうそく)で、心もスカッとする
「休日に体を動かす」積極的休息は、スカッとします。寝てばかり、ダラダラしても、なぜか疲れたままですよね。体を動かすと、心が晴れる。実際に、有酸素運動で、脳がリラックス状態と分かる「α(アルファ)波」を出すことは、論文で証明されています。
トレーニングの進行にともなって安静時心拍数は有意に減少し,心臓自律神経活動は有意に亢進した。POMS の得点も全ての項目で改善し,特に抑うつ一落ち込み得点で有意な改善が見られた。運動の急性効果としては,トレーニング期間後期において運動後脳波にしめるa 波の割合が有意に上昇した。

運動の力は、思っている以上に大きいです。
夢や目標を持つ素晴らしさ
ここまで来たら、あなたの「目標」や「夢」が出てきます。「フルマラソン完走」「筋トレで、ボディビルダーみたいな体」「シックスパックと言う、割れた腹筋」を目指すのもアリですね。
これで、人生が輝き出します。そう、運動は「人生を変える」のです。
まとめ
運動の素晴らしさが分かったはず。偉そうなことをお話しした私も、実は小学校3年生まで、138㎝、48kgの肥満児でした。マット運動ができないデブが、今では15歳から体型が変わらずに、細く引き締まった体を維持しています。それもバスケットボールやボクシングと出会い、それ以外にも色々運動しているおかげ。
だから、この力を伝えたい。さあ、あとは、あなた次第ですよ。
これでも、やらないんですか?