「ウォーキングって、痩せるのかな?」「痩せるには、どうしたらいいのかな?」と思う人は意外と多いです。
そこで、ポイントを3つ、お話ししましょう。
- 有酸素運動にする
- 正しいフォームで行う
- 20分以上、90分以下にする
さらに、HIIT(ヒート)の追加がおすすめです。このHIITとは「全力を出す運動を数十秒、休憩を数十秒」を数回行うこと。脂肪がより分解されます。
また、痩せるための食事制限もご紹介しましょう。これで、あなたは「本物のダイエット」を手にできます。
その頭にある「?」が無くなっていきますよ。
ウォーキングダイエット 3つのポイント
ウォーキングダイエットには、次の3つのポイントがあります。
- 有酸素運動にする
- 正しいフォームで行う
- 20分以上、90分以下にする
これで、邪魔な脂肪が無くなりますよ。
1:有酸素運動にする
最初は「有酸素運動」にすること。これは「体を動かすときに、酸素を使うもの」になります。
有酸素運動は、脂肪を分解するホルモンを出す

この運動は、脂肪を分解するホルモン「カテコールアミン」を出します。論文での証明がこちらです。
〇カテコールアミンの働き
脂肪動員の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの、カテコールアミンとよばれるホルモンである。
~(中略)~
カテコールアミンの血中濃度が高まり、脂肪細胞表面の受容体に結合する。これに応答してペリリピンがリン酸化されると、CGI-58はペリリピンから離れ、かわりに ATGL と相互作用することによって、この酵素を活性化する。またペリリピンがリン酸化されることによって、HSL は脂肪滴にアクセスできるようになる。HSL 自身のリン酸化も、脂肪滴へのアクセスと活性化に寄与する。
このように、多くのタンパク質や酵素が脂肪滴表面で協調してはたらくことにより、大規模な脂肪分解が起こると考えられる。
〇 有酸素運動
また,(有酸素運動の)連続法では運動中の血中アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,遊離脂肪酸およびグリセロール濃度が増加し,濃度の低下が認められた.

酸素を多く使うには、大きな動きが必要

酸素を多く使うためには、大きく体を動かしましょう。

2:正しいフォームで行う


これで、大きく体を動かせます。コツは次の4つ。
- ひじを引く
- 足の中心で着地する
- お腹から、進むような感じで
- 呼吸は「鼻から2回 口から2回」
意識すると「こんなにつらいものだったのか」と思うはずですよ。
その1:ひじを引く

ひじを引くと、上半身がうまく使えます。肩と腕が、大きく動きますよ。
その2:足の中心で着地する

足の中心で着地しましょう。これは「フォアフット」という歩き方で、痛みからあなたを守ります。長い距離なら、ぜひ身につけましょう。

その3:お腹から、進むような感じで

お腹から進むような感じで歩くと、胸を張って歩けます。姿勢がよくなり、使うカロリーも多くなる。体の中心である「体幹(たいかん)」が安定して、歩きやすくもなります。
その4:呼吸は「鼻から2回 口から2回」

呼吸は「鼻から2回吸って、口から2回吐く」ようにしましょう。体内に酸素を多く入れられます。リズムに乗れば、楽しく足を運べますよ。
3:20分以上、90分以下にする
時間は「20分以上、90分以下」です。理由は次の2つ。
- 20分以上で、脂肪を分解したエネルギーを使う
- 90分以下で、燃費のいい体にしない
短くても、長すぎても、いけません。
その1:20分以上で、脂肪を分解したエネルギーを使う

20分以上歩いて、分解したエネルギーを使いましょう。このエネルギーを使わないと、また脂肪に戻ります。あなたの歩いた距離も時間も、まったく無駄になってしまう。厚生労働省のホームページでも、20分頃から、脂肪が使われると文章があります。
有酸素性運動を継続して20分頃からエネルギー源が体脂肪に切り替わりますので、脂肪の減少を目的とする場合は長い時間継続出来る有酸素性運動が多いエクササイズを選ぶことが効果的です。

その2:90分以下で、燃費のいい体にしない

90分以下にすることで、カロリーを使いやすい体にします。長い時間だと、少ないエネルギーで動くようになる。これは「低燃費の体」で痩せにくいです。

「ウォーキングだけ」ではやせにくい
「ウォーキングだけ」ではやせにくいです。なぜなら、使うカロリーが小さいから。
ウォーキングのカロリーは小さい

ウォーキングで使用するカロリーを計算しましょう。
まず、運動で使うカロリーの式はこちらです。
カロリー=
- 運動の強さ(メッツ)×
- 運動時間(時間)×
- 体重(kg)×
- 1.05
さらに、ウォーキングのメッツは早歩きで「4.0」ほど。つまり、体重60kgの人が1時間歩いても、わずか240kcalです。


HIIT(ヒート)をプラスする
そこで、HIITをプラスしましょう。ダイエットに最適な運動になります。理由は次の2つ。
- 全力を出す運動は、脂肪を分解するホルモンを出す
- 息切れでエネルギーを多く使う体に

1:全力を出す運動は、脂肪を分解するホルモンを出す

全力を出す運動も、先ほど出てきた「カテコールアミン」を出します。こちらが論文の証明です。
〇 全力を出す運動
血漿A(アドレナリンの濃度)は70~90%(運動)強度で急激に増加したのに対して
アドレナリンとノルアドレナリンは70%VO2MAX(運動の強さ)の場合に、運動60分後と2時間後で他の条件に比べ(30%~60%の運動の強さ)約2倍もの濃度差が認められた

2:息切れでエネルギーを多く使う体に

息切れすると、エネルギーを多く使う体になります。
まず、これは酸素が足りない状態。このため、借りてくる必要が出てきます。それが「体内」から。
そして、借りた酸素は返さないといけません。これが運動後に、多く酸素を取り込む理由になります。しかも、この酸素はエネルギーの消費にも、使われるのです。

運動後の酸素消費量が安静値へ回復しても肺胞でのや酸素消費量は有意に上昇した状態が続いていた.このことは,運動後に長時間に渡って観察される全身レベルでの酸素消費量の増大は、活動筋以外の組織でのエネルギ消費の亢進,例えば換気や心筋活動の増大,肝臓での糖新生などに起因している可能性を示唆している.
息切れさえも、利用しましょう。
おすすめHIIT 3選
では、おすすめHIITを3つ、ご紹介しましょう。
- 早歩き
- バーピー
- 筋トレ
さあ、1つずつ確認します。
その1:早歩き

ウォーキングに取り入れやすいのは「早歩き」ですよね。全力で歩きましょう。例えばこれを、追加してください。
- 早歩き 30秒
- 普通のペース 30秒
これを4セット
わずか30秒が長く感じますよ。
その2:バーピー
バーピーとは、こういった運動です。


〇・動画で見るなら
メニューはこちら
- バーピー 30秒
- 休憩 45秒
これを4セット

その3:筋トレ
筋トレも全力を出せます。こちらの3つをご紹介しましょう。
- スクワット
- 腹筋
- ブリッジ
先ほどと同じように、絵と動画をのせておきます。
- :スクワット

〇動画で見るなら
- :腹筋

〇動画で見るなら
- :ブリッジ

〇動画で見るなら
メニューはこちら
- 筋トレ 1分
- 休憩 30秒
これをスクワット、腹筋、ブリッジ各1セット(合計3セット)
ポイントはこれです。
- 2秒で動かす
- 1秒 キープ
- 2秒で戻す
- 1秒 キープ
- ひじや膝をカチッとさせない
- 呼吸は楽に

必要な2つの食事制限
痩せるためには、食事制限も大事です。それは太った理由が、食べ過ぎだから。いくら、あなたがウォーキングしても、それ以上食べれば、太るのです。
ここでは、次の2つをご紹介しましょう。
- カロリー制限
- 糖質制限
食事の見直しこそ、ダイエットに大事です。
1:カロリー制限

カロリー制限は、知っている人も多いでしょう。エネルギーである「カロリー」を少なくするものです。
基礎代謝(きそたいしゃ)以上取ることが大事

大事な点は「基礎代謝以上」になります。なぜなら、脂肪を分解しやすくするから。
これ以下になると、危険な状態と、体が自動的に判断します。だから、エネルギーをたくさん使う筋肉を分解する。これを「糖新生(とうしんせい)」と言うのです。
筋肉は無くなり、脂肪は大事なので、そのまま残る。この体を誰も目指していません。
だから、基礎代謝よりも多いことが大事です。
2:糖質制限

糖質制限も、有名なダイエットの1つです。糖分を含む食べ物を控えるもの。この効果は、論文で証明されています。
KDが生体に与える影響の分子基盤を,実験動物などを用いて生化学,分子生物学的に検討している報告は意外と少ない.また,KD(ケトジェニックダイエット:糖質制限ダイエットと同じ意味)にダイエット効果があることはケトン体生合成メカニズム で明白であるが,
体重減少の特徴は、Blackburn の体重減少の評価法の高度体重減少と中等度体重減少の境界線付近に集中している様子が観察された。また、13研究(論文A, C, D, E, F, G, H, I, J, L, N, O, P)、すなわち(低糖質ダイエット)全体の68.4%において、検討期間である6カ月間に、一度以上の高度体重減少が見られた。一度も高体重減少が見られなかった研究は6研究と少数であった。その結果、検討対象の約70%の論文で、短期間での高度体重減少が観察された。
1日に取る量は120~150gにする

1日に取る量は「120~150g」にしましょう。こちらも論文での証明があります。
一方、世界的に糖質制限食の研究結果の報告が蓄積され、1 日の糖質摂取量を120gあるいは150g以下にするような食事法が血糖、体重、血圧、脂質といったメタボリックシンドロームの構成要素のすべてに有効であることが示されている。

つまり、バランスも改善して、体はより変わるのです。
まとめ
ウォーキングだけでやせるのは、長い道のり。だからこそ、HIITや、食事制限を使って、ダイエットを加速させるのです。
私も「スロージョギング(会話ができるくらいスピードで走ること)+HIIT」を、もう20年以上やっています。だから、この体型を維持できる。
あなたも続く運動をしましょう。それだけで、体は確実に応えてくれますよ。